京都一周トレイル・北山コース西部・その2
三尾を経て清滝へ
■標高:436m
■歩行時間:5時間
■登山日:2015年4月25日




 11:47、沢ノ池に到着。静かな水面を湛える、それなりに大きな池である。何となく、人造池っぽいが、澱んだ水がたまっていると言うわけではなく、間近に寄ってみてもそこそこきれいな水がたゆとうている。京都の街中に比べれば標高にして300mほどは高く、それでいて市街地の縁、たとえば御室仁和寺あたりからは直線距離でせいぜい2卍度しか離れていないと言う不思議な立地ながら、どこか秘境の趣さえある。さておき、ちょうど良い頃合いなので、昼食方々小休止。今日は一応広義でのゴールデンウィーク初日と言うことになるらしいタイミングだが、陽気は初夏を思わせる。たぶん湿度がないせいで汗ばむ感じではないけれど、水分を多めに摂る。総じて、昼食休憩と言うより座って行動食を口に運んだという勝手の休憩となった。

 12時ちょうどに出発。池からわずかに高度のある仏栗峠(ほとぐりとうげ)の鞍部にまで登りきると、しばらくほぼ平坦な道を歩いてから、一気に高尾に向かって下り始める。水流が山肌を穿ったような、ぬかるむ細道を下って行くと、しばらくで舗装道に出たが、この道も車が通る道にしては傾斜がきつい。いくらか膝に来そうなのを感じながら、20分に満たない程度の時間を下り続けると、12;34、栂ノ尾の白雲橋のたもとに出た。

 白雲橋のたもとで東海自然歩道と京都一周トレイルは合流する。白雲橋は、高雄・栂ノ尾界隈では一つ目印になる橋のようである。別に歴史的な建造物と言うのではなく、国道にかかる橋の一つに過ぎないのだけれど、紅葉との調和を期したのかもしれない赤い欄干が良く目につく。三尾観光のアクセス経路となるこの国道162号が周山街道で、私もバスでなら過去二度通ったことがある。最初は明智光秀の周山城を訪ねて。二度目はここからもほど近い高山寺を訪ねて。もし京北コースに着手するなら、そのアクセスにもこの国道を使うことになるのだろう。周山城は秋、高山寺は厳冬の訪問だった。春のこの時期に訪れるとまた趣が違う。紅葉の名所として名高い三尾だが、この時期のカエデ科の新緑は、柔らかなライムグリーンが美しい。

 しばし、国道を歩く。歩道のない、しかし交通量の多い道だ。そこを通行する際に注意を要することは、コースガイドでもアナウンスされているが、わずか300m足らずを歩く間に肝を冷やすことが二度三度とある、確かに危ない道だった。この辺りから東海自然歩道との共通区間なのだが、自然歩道はここから数卷綿まで国道沿いを行くことになると思われる。周山街道を東海自然歩道として歩くことになるのはまだかなり先のことだと思うが、悩ましいことだ。

 バス停の傍らにあった自販機で缶コーヒーを購入。冷たい喉越しが心地よい。真夏のような不快な蒸し暑さはないが、今日の気温はかなり高そうだ。夏日くらいにはなっているのかもしれない。

 避暑地としても知られる京の奥座敷・高尾からは、明らかに道沿いの雰囲気が変わる。付近には零細な規模の飲食店や宿泊施設が多いものの、古くからの観光地だったためか、そのたたずまいは落ち着いたもので、周囲の風景に溶け込んでいる感がある。ここから先、道は清滝川沿いに続いて行く。東海自然歩道との共用コースで、清滝までは現地でもはっきりハイキングコースと表示されている。距離は4劼頬たない。単純計算で1時間程度の道のりだ。京都一周トレイルは清滝までを一つの区切りとしているが、観光ハイキングのコースとしては、奥嵯峨やその先の嵐山までを一つのくくりとすればちょうど良い半日コースになるか。そんなことを考えながら歩く。

 ここも頻繁に人と行き違う区間だが、私の思い付きを実践しているのか、清滝から高尾を目指す方向に歩く人が多い。逆に、高雄から清滝へ行く人に追いつき追い越すことはなかった。川沿いのほぼ平坦路だから、ハイカー各人の歩調にそれほど差がないせいもあるのかもしれない。あるいは、高尾の街中から散歩がてら「奥地」まで足を運んだ人が引き返してきているのか。それにしても、一昔前に整備されたと思われるこの遊歩道は、セメントで固められた舗装道と化している区間が大半なのだけれど、老朽化して舗装自体が陥没している個所もちょいちょいと目につく。今の感覚では渓流伝いにあるのにちょっと違和感を感じる、無骨な造作の道ではある。時々は滑り易そうな岩場を踏み越える場所もあるので、観光気分の靴で歩き通すには多少厄介な道かもしれない。

 高尾から清滝までの渓谷は、その名も錦雲峡と言うのだそうだ。花見や新緑、紅葉狩りと、四季折々の楽しみがあり、風雅な響きも名前負けではないと言ってはおくが、基本的には川縁を歩き続ける、あまり変化のない道でもある。黙々と歩くこと40分余り。13:26、愛宕山につながる舗装道路に出た。右手に進めば月輪寺、左に進めばゴール地点の金鈴橋だ。愛宕山の表参道は左である。考えてみれば、ここから先が私の京都一周トレイル旅始まりの地と言うことになるのだ。このコースの名前の初見は、愛宕山登山の時のことだった。それが1年8か月余りの時を経て、今つながった。感慨深い。

 13:35、北山コース最後の指導票となる94の前にたどり着いた。ゴール地点としては金鈴橋と言うことになるのかもしれないが、事実上同じことだ。件の指導票は橋のすぐそばにある。時刻は13:35。ほぼ想定通りのタイムだ。と言うか、最も順調に歩けた場合でのタイムなので、ゴールのタイミングとしては少々早過ぎる。今回は、山行後で疲れもあるだろうと思って、わざわざ泊まるところの予約までしてしまっていた。しかしこれは。余裕で日帰りできる状況ではないか…。
沢ノ池。

仏栗峠を乗り越し、高雄に向かう。

国道にかかる白雲橋。ここで東海自然歩道と合流。

山紫水明の地を歩く。

新緑も良いが、春の桜や秋の紅葉で名高い錦雲峡。

1時間ほども渓流沿いを歩く。

懐かしい愛宕山登山口が北山コースのゴールとなっている。

 
アクセス 叡山電鉄「二ノ瀬」下車。
ガイド本 京都一周トレイルコース公式ガイドマップ北山西部 京都一周トレイル会
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