宮路山・五井山・御堂山・砥神山・その2
三河湾沿岸部周遊山行
■標高:454.2m(五井山)
■歩行時間:4時間20分
■登山日:2015年1月17日




 国坂峠を通っている道はどうやら県道らしく、片側1車線で車の対向する道路である。誰の手になるものか、その辺の道端に立っている手製の看板によれば「林道」とされている道は、いずれその峠の道に出合いそうだ。が、地図から読み取れる線形はわりと蛇行している。ショートカットの意味合いがあるのだろう、徒歩道とも単なる踏み跡ともつかない道が「林道」脇に伸びている。宮路山遊歩道に比べれば「整備状態の劣悪な」と形容できそうな道だが、少し行くと野仏のような小さな石仏が立っていたので、単なる踏み跡、ましてや獣道の類ではないのだろう。石仏は一体や二体ではなく、つづら折りの坂道が屈曲するたびに立っている。途中、踏み跡が消え入りそうに頼りなくなる箇所もあるが、やがて神社の境内をかすめ、さらには小川のほとりに出た後、砂防堰堤の脇を通り抜け、再度林道に合流。ここからだと、国坂峠を乗り越す県道366号が見える。50分かかると言われていたが、ショートカットが効いたのか、30分ほどの道のりだった。

 15:18に県道へ出た後、少し蒲郡側に移動すると、砥神山への登山口があった。宮路山の登山口同様、有害獣よけの金網出入口がつけられており、これを開けて先へ進む。ここも官製登山道ではなく、いわば踏み跡みたいなものであるため、あまり良い道ではない。御堂山まで、歩行時間でどの程度になるのかは定かではないが、県道を越えて間もなく、登山道は激登りの坂となった。が、長い坂ではない。大体が、400m前後の山を踏み越えていくのが今日の山行だ。一般に、極端な急傾斜あるいは緩傾斜でない限り、1時間も歩いていれば600mほどは登ることができる。かてて加えて、国坂峠から御堂山への道は、全くの低平地からの登り返しではない。想像するに、国坂峠鞍部の標高が200m前後。対して御堂山の山頂は363.5m。良いとこ200m程度の登りとなるだろう。30分あれば、御堂山の頂には立てそうだ。

 宮路山から五井山までの道のりにほとんどアップダウンがなかったのを思えば、わりと上り下りのある道だったが、たかが知れていた。15:48、御堂山頂に到着。今日登る山の中では唯一、底抜けの開放感はない山頂である。少し位置をずらせば山麓から三河湾にかけての様子が見えないわけではないが、基本的には木々に覆われている。なお、山頂一帯は丹野城という城の跡だが、特筆するほど明瞭な遺構があるわけではない。地形がわりと平坦なのが、土木工事の跡なのかなと思う程度のものだ。

 ここから先は、蒲郡市が設定したハイキングコースをたどる。JRの三河三谷駅と三河大塚駅を起終点に結ぶもので、「健康の道(あさやけコース)」と名付けられている。黄昏の迫る中だが、どうも夕焼けコースはなさそうだ。御堂山頂直下は、見るも無骨なコンクリート打ち・鉄製手すりの階段となっている。少し下ったところを左に折れると大塚駅方面にたどり着くものと思われるが、この後に砥神山を目指すことを考えると、私の山行の終点は畢竟三河三谷駅となる。

 コンクリートの道を下り切った辺りは、開放的な広場になっている。ガイド本によると、近くにさがらの森というキャンプ場があるらしく、見ればかなりの台数の車が止まりそうな駐車場もある。その閉門時間は午後5時となっている。本にはキャンプサイト云々の記述もあるが、デイキャンプだけの施設なのだろうか。その昔にはこの近くに相楽山荘と言う施設もあったそうで、宿泊はこちらが担っていたような気がするのだが、今は閉鎖されている。駐車場にこそ車の姿は認められたが、時間が時間なので周辺に人気がない。

 さて、ここまで来ると砥神山の頂上は近い。砥神山は今日辿った山々の中でもひときわに低く、標高はわずかに252mでしかない。見たところ、御堂山の支尾根の1ピークと言ったとしても差し支えないほどのものだ。例によって散策路のように平坦な道を行くことしばしで、山中のT字路に行き当たった。砥神山は双耳峰となっているのだそうだ。まずは、下山の経路から外れた東山の方を目指す。分岐から百メートルに満たないほどの距離しかないその場所は、修験道の代名詞とも言える役行者の像が置かれている。三度眺めの良い山頂だが、豊橋・豊川方面ではなく、はっきりと蒲郡を見下ろす眺望と言える。少し離れたところにある三谷弘法山の弘法大師像や、竹島といった蒲郡の観光スポットが見える。テーマパークであるラグーナ蒲郡も、視界の端に見える。それにしても山上から眺めていると、埋め立てにより一昔前から海岸線がかなり後退しているような気がする。豊橋港あたりはあんなに狭い海だっただろうか。

 そこから取って返して西山へ。こちらは砥神神社の奥社に通じる頂となっており、注連縄を巡らされた岩が安置されていた。例によって展望もあるが、東山のようなあけすけな感じではない。一応、信仰の場の一部たらんとしているのかもしれない。この山頂を見ていると、今日踏んできた山頂が、軒並み立木のない山頂だったことに不調和を覚えなくもない。とっつきやすいハイキングコースとするために、ばっさばっさと木を切り倒したのだろうなと思うと、複雑な気分だ。東山着は16:12、西山着は16:15のことだった。少し駆け足だった。参考までに、砥神山の標高は252m。東山のことなのか、西山のことなのかは調べきれなかった。

 スリル坂という、ファンキーな名前の付けられた坂を下りきると、コノハナサクヤの祀られた砥神神社の祠がある。登山道はその傍らを窮屈そうに伸びているが、ここまで来ると、登山道らしい登山道はほぼ終わりである。右手に五井山のスカラインを見えながら道なりに歩いて、山の斜面に作られた蜜柑畑の片隅に出た後、三谷の町はずれに出た。ここから駅までやや距離があったが、まだ残照のある17時ちょうど、三河三谷駅の改札へたどり着くことができた。
野仏に導かれるように国坂峠へ。

国坂峠。宮路山・五井山と御堂山・砥神山の結びつきは思いのほか弱い。

日は西に傾きつつある。

御堂山山頂には丹野城という城があった。展望は望めず。

対照的に砥神山の山頂付近は公園化されている。

西山は展望所の体裁を保っている。

祠のある東山山頂。冬の夕闇が近づいていた。

 
アクセス 名鉄御油駅より。
ガイド本
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