宮路山・五井山・御堂山・砥神山・その1
三河湾沿岸部周遊山行
■標高:454.2m(五井山)
■歩行時間:4時間20分
■登山日:2015年1月17日

    京都一周トレイルの北山コースを歩いてからこっち、しばらく山に行っていない。そこで雪の積もっていない近場の山を物色した結果、東三河にある宮路山、五井山、御堂山、砥神山を目指すことにした。中央アルプス南端から続く高まりが、最後に三河湾に没するような場所に位置しており、基本的にはどの山も三河湾への展望が良い。豊橋自然歩道の時に、弓張山地が南アルプスの終わりであるという言説に触れ、合わせて天竜川と言う大河川によって南アルプスと弓張山地が明確に分かたれていることも指摘したが、今回登る山は、弓張山地の時ほど残酷にアルプスから切り離されているわけではない。何となく、中央アルプスのどこかにはつながっていそうな感じを受けるが、北アルプスが親不知のあたりで日本海に消えるような高度感もない。上空から見れば平野に張り付く地被類のように見えそうな、平坦な丘陵地帯だ。地勢に注目すると国坂峠によって宮路・五井と御堂・砥神と言うペアに分かたれること、国坂峠が豊川市と蒲郡市の境界となっていること、そしてファミリー向けハイキングに手頃な歩行距離となるようコースが整備されていることから、低山ハイクのガイド本でも宮路・五井と御堂・砥神が別立てになっているのが普通だが、今回は運動強度を上げるために、4座の山を一気に歩き抜くことにした。



 12:44に名鉄名古屋線の御油駅に着く。今回は宮路→五井→御堂→砥神と回るつもりなので、普通に行こうとすれば名電赤坂駅が登山口への最寄駅となるところだが、昼一番の時間帯は雨すら降り出しそうな予報となっているため、東海道御油の松並木に寄り道して、天候が上向くのを待つ。予報によれば、一日中降り続くような雨ではない。

 ローカルエリアでは名勝・旧跡に列せられる旧東海道御油の松並木なのだけれど、実は史跡の指定を受けているのではなく、天然記念物として扱われている。なんだか意外な気もする。史跡としては、松並木よりもう少し北の旧宿場跡に旅籠時代から続く旅館・大橋屋(2015年3月廃業)があり、こちらの方が正統なのかもしれない。が、今回はそこまで行かず、道端に出ていた標識に従い旧東海道を外れて左折。なお、もともとのコース研究用に使っていた「愛知の130山」では、スタート地点を名電赤坂としている関係もあって、音羽図書館のさらに北から入山するコースを紹介している。今回は、宮道天神社側から登る形である。

 が、そんなに高いわけでもない宮路山を登るにしては、舗装道を歩く距離が長い。途中でイノシシ除けの柵を越えたりはするものの、なかなか山道らしくならない。どうにか土の道になってからも、それほど長い道のりを登るわけではなく、間もなく右手からの伸びてきた散策路を合わせて山頂を目指す形になった。山頂と反対方向を指す矢印には、「駐車場 5分」とある。目いっぱい車で登れば、実際に山歩きをする時間はせいぜい十数分程度でしかないわけだ。そして、合流からわずかに10分ほどの13:58、山頂に到着。標高は361m。「宮路山聖跡」と刻まれた石碑がある。聖跡とは天皇の行幸地のことだが、行幸したのは近代の天皇ではなく、古代も古代の女帝・持統上皇だということだ。展望は評判に違いない。眼下に蒲郡から豊橋にかけての町並み、そしてその向こうに三河湾が広がる。さらに向こうは渥美半島の丘陵地だ。立木がほとんど切り払われた、いっぱいの日が当たる山頂となっている。

 天気待ちと言う事情もあるにはあったが、今日のコースは約4時間コース。この分なら日が没する前に歩き切ることは可能だが、安全を見るならばもう30分でも早く歩き出したかったところである。少なくとも、ここであまりのんびりとはしていたくない。海抜標高からして当然と言えば当然なのだが、宮路山はあっけなく抜くこともでき、ペースメークの点からもこのタイミングで止まる理由はない。さっさと先を目指す。

 宮路山と五井山をつなぐのは、豊川市が整備している宮路山遊歩道というハイキングコースだ。五井山までは3匐で約50分と出ている。ほぼ尾根筋につけられた道ながら、林床となっていて展望はない。と同時に、基本的にはアップダウンもない。つまり変化が乏しく、淡々と歩くだけのコースである。この内容だと、コースタイムからの大幅な短縮は期待できないのが痛し痒しといったところだ。若干余談の範疇に属するが、すぐ近くには車道が走っているので、予想外に歩行時間が延したりして、打ち切りたくなったらそちらに逃げるのも手なのかもしれない。

 五井山の頂は、宮路山の山頂から確かに50分間歩いた先にあった。一度、林道と称される舗装道に出ることになり、その先に位置している。道端のガードレールには、林の中へ通じる踏み跡を指して「五井山」とする落書きがされているが、実際これに従うメリットと言うのはほとんどない。山道と言うほどでもない、瘤みたいな坂道を越えるだけで元の舗装道に合流するので、ショートカットと言うほどの効果もない。山頂に続く最後の道は、その先でもう一度舗装道を外れたところから始まる。ここまでの道に比べると少し荒廃した感じがあり、背の高い草の類が鬱蒼と茂っているが、そこを抜けると、一気に視界が広がる。石碑がない以外は宮路山と良く似た雰囲気の広場が、五井山頂だ。眺めもやはり三河湾が中心なのだけれど、宮路山よりは若干蒲郡寄りに展望が利くようになっており、斜面側にベンチが置かれていたりする。ちなみに標高は454.2mで、今日の四座の中では一番高い。

 時刻は14:50。概ね予想通りの時間帯だが、これより早く回ることを期待する気持がなかったと言えば嘘になる。ここから先は、来た道を少しばかり引き返して国坂峠に向かう。五井山から御堂山までは、ガイド本から想定タイムを拾えなかったのがやや気にかかる。ここまで散見された情報を総合すると、五井山から国坂峠までのコースタイム?が約1時間。そこから御堂山まで登り返すとどのくらいになるのかはっきりしないが、文字通りの山勘によれば、4時に御堂山に着き、4時半に砥神山に着くつもりでいる。元より負けの見えた勝負になど乗らないが、これについては読み勝つだろう手ごたえがあるので、今ここにいる。とは言え、冬の日だ。少し足早に先を目指した。
東海道の名残、御油の松並木。

駐車場付近からが宮路山登山道の正統。そこまでは前座に過ぎない…のだろうか。

冬の陽光に照り輝く三河湾を宮路山頂より見下ろす。

宮路山聖跡碑。

宮路山遊歩道。登山道と言うより、遊歩道。

五井山山頂。割と雰囲気が良い。

海と港湾都市。これを見下ろせるのは低山ならでは。

 
アクセス 名鉄御油駅より。
ガイド本
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