天保山
日本一低い山への挑戦
■標高:4.53m
■歩行時間:20分
■登山日:2014年3月22日

    大阪にある天保山は、日本一低い山として知られる。その出自を辿れば、天保年間(1830〜1844)に行われた安治川の川ざらえの時に出た川砂を積上げた人工の山である。もとは20m余りの高さがあったようだが、河口部の微高地ゆえに使い勝手が良かったのか、誕生以降さまざまな用途のために土木工事を施され、その都度山肌を削られた。そのため、現在では4.53mの高さしかない。誰が見ても明らかな高山はともかく、山そのものの定義があいまいであるため、何を持って低山とするかは難しい問題を含むが、二等三角点の設置された地名として天保山の名が出てくるため、大阪市などが「日本一低い山」をもって任じているようだ。海に面しているだけに、気候も完全に海洋性のそれなのだけれど、その独特の地勢の故、装備品の選択を誤ると、天保山への旅は非常に厳しいものとなる。



 天保山への最寄駅となるのは、大阪市営地下鉄中央線の大阪港駅だ。地下鉄とは言いながら、付近の同線が高架化しているため、大阪港駅も地上駅となっている。山の概念を覆す日本一低い山の最寄駅にふさわしく、常識にとらわれていると足元をすくわれそうなフェイクが含まれた駅だ。今回の山旅は、ここをスタート地点とする。13:11、クライムオン。

 しばらくは、平坦でまっすぐな道が続く。その脇には木も生えているが、樹種がよく分からない。どんぐり関係にも見えるのだけれど、普通こういう場所にそういう木があるものかどうか。

 天保山の山頂は、周辺の最高点ではない。山頂は天保山公園の一隅にあるのだけれど、最高点となる無名のピークはその手前に控えている。天保山自体がもう少し高ければ、双耳峰みたいなラインを形成していたのかもしれないが、予備知識もない状態で歩いていると、目測50段ほどの階段の先にあるこの地点が、まさに天保山そのものであると錯覚してしまいそうだ。階段の登りはじめには「天保山跡」と刻まれた石碑があるからなおのこと紛らわしい。しかし、地図上にその名が出てくる天保山、つまり二等三角点は、この最高点からも見える「明治天皇観艦之所」碑の傍らにある。

 一度、階段を下り、13:20に天保山の頂に到着。わりと最近、軽薄そうな若者が天保山を目指すCMが流れていたため、思っていたよりもここを目指す人は多いようである。みな一様に、山頂付近で記念撮影をしている。三角点のほかは特に何があると言うわけでもないが、山を擬人化したキャラクターが「日本一低い山」と書かれたたすきをかける看板と並んで写真を撮る人が多いようだ。

 今回の山行では大阪港駅から歩き出したが、渡し舟を使えば、山頂直下までダイレクトにアクセスすることもできるらしい。ただ、その先がどこに通じているのか、大阪の土地勘がない人間には心もとない。下山後は、海遊館側を回り、大阪港駅まで戻る。駅に着いたのは13:35、30分にわずかに足りない山旅だった。
天保山跡の碑。

明治天皇観艦之所碑。

船でのアタックも可能。

 
アクセス 大阪市営地下鉄中央線大阪港駅下車。
ガイド本
関連サイト

 



▲山これへ戻る