猿投神社〜香嵐渓・その1
豊田市郊外のハイキングコース
■標高:200m
■歩行時間:7時間
■登山日:2014年2月22日

    東海自然歩道は、東京都八王子市を発して大阪府箕面市に至る長さ1697kmの自然歩道だ。うち、愛知県コースは200kmあまりを占める。自然歩道なので、いわゆる山道とイコールではないのだけれど、自然の豊かなところとなると、やはり第一義的には山中なので、これまでの山行で東海自然歩道を辿ったことは何度かある。そうしたところ、愛知県内コースの半分ほどを踏破するに至っている。そしてそんな中、かなり長い未踏区間となっているのが猿投神社から田口までの間である。当然、1日で歩けるような距離ではない。しかし、何となくこれをつなげてみようと思い立つ。といったところで挑戦してきたのが、猿投神社から香嵐渓までのコースだ。



 愛知県が発行している愛知県コースのリーフレットによると、全長28.4km、コースタイムで8時間45分の区間である。東海自然歩道公式のこの種の数字は、意外と当てにならないのも事実だが、今計算してみて、コースタイムはともかく、距離が思いのほか長かったのに驚いた。このことを事前に知っていたら萎縮していたに違いない。知らなくて良かったと思う。ただ、水平に移動する距離は長くても、道中に山というほどの山はない。広瀬の前後が丘陵地帯となっている他、勘八峡を過ぎたあたりと、山中町から巴川沿いの足助街道に入るあたりでちょっとした登りがある。コース中の最高点は、勘八山付近と言うことになる。

 午前7時過ぎに名古屋を出発し、鶴舞線から名鉄に接続する。そして、名鉄上豊田駅で下車。駅を出てすぐのバス停から豊田市のコミュニティバス・おいでんバスに乗り込み、猿投神社バス停で下車。乗車バス停が豊田市駅前だったこと以外は、猿投山登山の時と同じルートである。猿投山のときは、神社から猿投山に向かったが、今日は真逆の足助町方向を目指す。スタート時刻は8:10。

 猿投山登山道は、これぞ自然歩道という緑の中の道だったが、今日のコース最序盤は、普通の幹線道路沿いを歩く。県道から国道419号へと進み、そこから少し南に行ったところで、ようやく多くの車が行きかう表通りから外れることになる。道を折れた先は、里山の雰囲気ではあるものの、土建業者の土場みたいな施設も存在しており、あまり色気のある道ではない。そこも行き過ぎると、もう少し雑木林っぽい雰囲気の中を進むことになり、抜けた先が愛知県緑化センターになっている。なるほど、土場に比べれば確かに緑豊かな場所ではあるものの、今度は完璧に管理された公園という風情で、これまた自然とは少し違う気がする。

 自然歩道と園路の境界が分かりにくいが、要所要所にある道標を頼りに進んでいくと、道は緑化センターの核心部を抜け、町から離れる方向へ向かっていく。次なるチェックポイントらしい「田茂平」までの距離と所要時間が出るようになってきた。手持ちのコースガイドでは、「田茂平町」という表記になっている。何があるというのではなく、単に豊田市内の一町名に過ぎないらしい。実際、緑化センターを外れて、再び里山エリアに入ったその先には、特筆するほどの光景が広がっているわけでもなく、冬枯れの山林が続いていた。まあ、予想外に存在していた湿地帯が、一番目新しい物だったのだろうか。

 途中で一般道を突っ切った以外はこれというメリハリもなく、淡々と歩き続け、西広瀬に到着。今日のコースが長丁場となりそうだっただけに、展開次第では広瀬前後を打ち切りポイントにしようかとも考えていたのだけれど、時計を見ると10:11。まだスタートから2時間ほどしか経過していない。攻め継続を決定する。このペースで行くと勘八峡着は11時頃になるだろうか。

 道中、矢作川を挟んで二箇所の城跡があった。西広瀬城、広瀬城の二城である。ただ、いずれも規模は小さく、西広瀬城は傍らをスルー、広瀬城はコース経路に取り込まれていたので通過したものの、削平地形がそれらしいという以外は、特段印象に残る城跡ではなかった。どちらかと言うと2004年に廃線になった名鉄三河線の広瀬駅が古い時代を偲ばせる何かを備えている。広瀬駅では駅舎とホーム、そしてレールが保存されており、矢作川を渡りながら橋の側から見ると、まだ生きている駅のようでもある。なお、広瀬駅前はおいでんバスのターミナルの一つとなっているため、その意味でここが手軽なエスケープポイントとなる。

 広瀬界隈は、この前後では比較的民家の多い地区だ。ここを抜けて勘八峡に向かうに際して、一時的に雑木林を突っ切る箇所があるが、ここでコースを見失い、ひとしきり同じ様な場所をうろうろする事に。今日初めてのミスコースである。林の中の道はすぐ終わり、その先は一般道に接続している。道なりに進んでいくと猿投グリーンロードの上を渡る跨道橋に差し掛かり、猿投山が見えた。スタートからの歩行時間のわりにあまり離れたように見えないのは、蛇行しながら進むコースを歩いているためだろうか。
緑化センターを行く。が、東海自然歩道は公園の隅を所在無げにかすめる。

湿地帯と言うほどでもないかもしれない。乾いた里山が続いた後の数少ない水場。

広瀬地区で矢作川を渡る。

廃線となった名鉄三河線広瀬駅のホーム。

猿投山を振り返る。思ったより近くに見える。

 
アクセス 名鉄豊田市駅よりとよたおいでんバス「猿投神社前」下車。
ガイド本 ふれあいウォーク東海自然歩道 東海版 風媒社
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