六甲山最高峰(魚屋道)・その2
関西の名コース、歴史の道
■標高:931m
■歩行時間:4時間
■登山日:2012年12月24日




 次なるチェックポイントとなるのは、風吹岩である。それ自体が奇岩の類であった蛙岩とは違い、展望スポットらしいが、これが近づくにつれ、気になる看板が姿を現した。

イノシシに注意!
●風吹岩・横池付近で、登山者に被害を与えるイノシシがよく出没しています
●そのイノシシは、大型(推定80kg・オス)で人馴れしており、リュックサックを狙って近寄ってきます


 なんと言うことか。山を登っていてクマに脅かされることはままあるが、リュックサックを狙ってくるほど人馴れしたイノシシとは。しかも80kg級、かなり大型なのではないか。イノシシなら、倒せば牡丹鍋に出来るかもしれないが、丸腰では到底勝ち目が無い、どころか、大怪我を負わされる。ヒグマなんかと違って、生きたままかじられる心配が無いのは御の字かもしれないが、それにしても怖い。もし出くわしたらどうしたものか。戦々恐々としながら先を目指す。

 幸い少し進むうちに人の話し声がそこかしこから聞こえてくるようになった。雰囲気の良い坂道を突っ切ると、その先が風吹岩なのだった。時に9:35。魚屋道を歩く登山者の姿は見当たらなかったが、風吹岩は好展望のスポットだけあって、他ルートからの登山者も多く流入してきている。どうやら芦屋方面からの登山道を合わせているらしい。とりあえずこの雰囲気なら、イノシシに襲われる心配も低減されるし、もしトラブルが発生しても、一人立ち往生することもなくなるだろう。にしても、景色が良いのは立ち木が無いのと裏腹なので、風が冷たい場所だ。風吹岩とはよく言ったものである。日は当たるのだが、地面には霜柱が立っている。冷え込んでいる。神戸エリアの天候の大崩はなさそうだが、今日のコース、まだまだ長い。先を急ぐことにする。

 風吹岩からこっち、なんだかいつぞや登った猿投山のような雰囲気の道が続く。これだけ大都市に近いハイキングコースなのだ。東海自然歩道並みにコースが整備されていたとしても、なんら不思議は無いのだが、森の中、緩やかに道が延びていくところも、猿投を思い出させる要因なのだろう。トレイルランニングをやっている人がいるのも同じである。

 魚屋道は、水平移動距離もなかなかの物だ。ただ、風吹岩はどうやら標高447mに位置しているらしく、六甲最高峰まではまだ500m近くを登らなければならない。頭の中で、ざっとこのコースの平均斜度を計算する。果たしてこのペースでどこまで登り続けられるものか。じきに登りは厳しくなるだろう。

 しばらく歩いたところで、妙な金属製のゲートが出現。田舎の里山、主に城山の類で、イノシシやシカなどが里に下りてこないようにこの種のゲートが設置されているのは見たことがあるし、これも同じような物か。どうも、六甲山の、少なくともこの辺りはイノシシの出現エリアらしい。が、こんな場所にこんなゲートが果たして必要なのか。怪訝に思っていたら、立派な舗装道路に出た。どうやら、ゴルフ場の一部に登山道が食い込んでいるらしい。ゲートは主にゴルフ場と登山道の仕切りのために存在しているのか。登山道はゴルフコースの脇をやり過ごすようにして伸びていく。場合によってはOB球がハイカーを直撃しそうな位置関係である。そんなところにヒヤヒヤすると共に、坂がやや険しくなってきたのを感じる。

 しかし、多少なりとも厳しい登りは、そんなに長くは続かなかった。額に汗が浮いてきたところで雨ヶ峠に到着。この登山道にしては珍しく、東屋のある休憩所が設置されており、少し先行して歩いていた中年ハイカーのパーティーが休憩に入っていた。ここまで抜きつ抜かれつしていた集団だが、一気にかわし去った。やはり私は登り局面でこそ強い。ストライドが広いわけでもないし、脚の回転率が早いわけでもないが、休憩をあまり必要としないところが強みなのだろう。今日は、荷物を軽くしてきたのも良い。

 雨ヶ峠を越えると、道はしばらく下っていく、下りの底辺りに小さなせせらぎがある。ガイドによると、かつてこの辺りに本庄橋というのがあり、跡らしきものが残っているようにも読める。しかし、砂防工事か何かの現場をはさみながら、二度ほど川を渡ったが、ついにそれらしき跡を見つけることは出来なかった。ついでに言えば、本庄橋跡を過ぎたところで七曲りと言う区間に突入するはずなのだが、それも正体不明のまま過ぎてしまった。時間にして30分ほどの登りであった。別コースのガイド(と言っても後半は今回踏んでいる魚屋道コースと重複するのだが)によると、渡渉点の先が七曲りだという事である。
樹林の切れ目から下界が見える。神戸、というより芦屋の町か。

よく整備された道ながら、イノシシを警戒しつつ進む。

風吹岩。

海と大都市に迫る山でありながら、六甲山の標高はなかなかのものだ。

本庄橋跡はこのあたり?高度の割に流量豊富な渡渉点。

 
アクセス (魚屋道起点からの場合)阪神電鉄深江駅より。登山口最寄はJR甲南山手駅。
ガイド本 六甲山 (ヤマケイアルペンガイドNEXT) 山と渓谷社
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