そんなふうに周辺部のリゾート地化が著しい茶臼山だから、高度に比して攻略は容易である。高規格の県道・茶臼山高原道路を使えばかなりの高度まで車で登れて、従って一般に利用される登山口も上の方にある。麓の村々から登ろうと考えているのでもなければ、幼稚園児が遠足で登るレベルの山だ。
易しい登りの碁盤石山をクリアした私は、その足で茶臼山に向かった。ちなみに、本来なら茶臼山と碁盤石山との間に天狗棚を、茶臼山の後に萩太郎山を持ってきて奥三河ハイキング山クアドラプル山行を成立させようとしていたのだが、低難度の山ばかりと油断していたために、天狗棚のリサーチが不足し、登山口を見つけられなかったので、これを割愛していた。
茶臼山高原の底部・矢筈池の上方にある駐車場に車を停める。茶臼山の登山口としてもっともメジャーなのは、この駐車場に面するものだ。入り口にも山名を記した立派な看板が立ち、本当に登山路と言うよりは散策路のような気安さがある。
茶臼山と言う山名は、わりとどこにでもあるものだが、登山口から眺める茶臼山の姿は、まさに茶臼の形をしている。どことなく伊吹山のたたずまいを思わせる雰囲気もあるが、もちろん伊吹のような長丁場の山ではない。緩い坂道を登り、芝生の広場を抜けると、やがて木製の階段が設置された斜面に行き当たる。先ほど来に比べれば斜度はきつくなるし、そこに若干の緩急が加わることもあるが、適当にペースを作りながら上っていけば、時間の問題で山頂に着く。
山頂には、木製の展望台がある。山の位置する場所からして、南アルプスの中でも南の方の山を見ることが出来る。眼下には豊根村の集落が見えるし、隣接する萩太郎山はもちろん重厚な存在感を放っている。天気が良ければ富士山でも見えるそうだが、私の登ったときはそこまでは望めなかった。一方、立ち木に遮られて北側への展望は無い。長野県側に少し下れば、さらなる展望も望めたと言うが、私はそこまで気がつかなかった。
親しみやすさが魅力の茶臼山の山頂では、「山ガール」と言うのを始めて見た。二人連れで二等三角点に興味を示していたが、彼女らの山レベルはまだまださほど高くはなさそうだ。
この後は、萩太郎山へ向かう。 |
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コース上、ベンチのある広場。奥に見えるのが萩太郎山。
山頂。三角点や展望台があるが、広くはない。
南アルプス方向の展望。
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