山登ってみよう > 山これくしょん
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奥三河の盟主に登る
三ツ瀬明神山(三ツ瀬登山口より) 12
■標高 1016m ■所要時間 5時間 ■アクセス難度 B
 三ツ瀬明神山は、愛知県の北東、北設楽郡東栄町と新城市の間にまたがる山である。近くに明神の名を冠する別の山(平山明神山)があるので、愛知県内の山に詳しい人は「三ツ瀬明神」と呼んでそれと区別する。もっとも、地元の人にしてみれば「明神山」と言えば普通はこの三ツ瀬明神の事を指すものだとも言う。標高1016mは、低山県愛知にあってはかなりの高山の部類に入る。もちろん、全国レベルで見れば千をちょっと出る程度の高さなどは低山の位でしかなく、愛知県内においてさえもっと高い山は存在する。しかし、高度以上にゴツゴツとした岩が連なる三ツ瀬明神の山容は、県内の愛好家の間では人気が高く、近在の山の頂から遠望した時の存在感など、総合的に見れば奥三河の盟主と言って過言ではない。

「ブッポウソウ」の山
鳳来寺山 
■標高 684.2m ■所要時間 2時間 ■アクセス難度 B
 愛知県の鳥はコノハズクである。その鳴き声の聞きなしは「ブッポウソウ」とされ、「声のブッポウソウ」としても知られる。少々紛らわしいのだけれど、コノハズクとは別にブッポウソウという鳥もおり、それと区別する意味を込めて「声の…」などと言われるのだ。昭和40年に愛知県鳥獣審議会が県民投票を経て県の鳥に選定したもののようである。東三河の新城市にある鳳来寺山は、そのコノハズクの鳴く山として知られる。600m級の、低山の部類に入る山だが、このあたりの山でよく見られるように岩場が卓越しており、男性的な景観が楽しめるため、ハイキングコースとして人気がある。また、山名の由来にもなっている鳳来寺や、鳳来寺東照宮などの建立された信仰の山であるため、古くから登山者の多い山でもあった。

名古屋の里山
東谷山 
■標高 198.3m ■所要時間 1時間 ■アクセス難度 S
 石川県出身の作家、深田久弥は自著「日本百名山」の白山の章にこう記している。「日本人は大ていふるさとの山を持っている。山の大小遠近はあっても、ふるさとの守護神のような山を持っている。そしてその山を眺めながら育ち、成人してふるさとを離れても、その山の姿は心に残っている。どんなに世相が変わっても、その山だけは昔のままで、あたたかく帰郷の人を迎えてくれる」。名古屋市民にとって、ふるさとの山と言えば東谷山だろう。都合によりとりあえず、そう言う事にしておきたい。

犬山近くで三座周回
尾張三山(尾張富士・本宮山・白山) 
■標高 292m ■所要時間 3時間30分 ■アクセス難度 A
 「出羽三山」と言うと、何だかすごそうである。かなり位の高い修験者がいそうな感じがする。それに比べると、どうも華がないのだが、我が近所の尾張地方にも「尾張三山」と呼ばれるものがある。すなはち、犬山と小牧の境目付近にある尾張富士、白山、本宮山である。世に「○○三山」と呼ばれるものは、出羽三山と同様に近隣の信仰を集めるものであったり、山容の美しい山だったりするのだが、尾張の三山は明らかに信仰の山である。まあ、姿の美しい山は信仰の対象になりやすいという事実もあるのだけれど、とまれ今回は尾張三山にアタック。いずれの山も若干の宗教色みたいなものはあり、山頂に神社が存在する点が共通している。

愛知県民の森から人気の岩稜歩きへ
宇連山 123
■標高 929.4m ■所要時間 5時間 ■アクセス難度 B
 宇連(うれ)山は、新城市内にそびえる標高929.4mの山だ。俗に奥三河と呼ばれる地域の最南部に位置している。都市部からは少し距離があるものの、近場の山から見ると、わりとなだらかながら大きく裾を広げるような山容が印象に残る。奥三河名山八選の一つにも選ばれており、愛知県内の山好きにならばその名を知られてもいるだろうが、一般にも知られる鳳来寺山や、奥三河の主峰と言われる三ツ瀬明神山に比べると、知名度の点からは大きく水をあけられている感はある。強いて言うなら、東三河地方の水がめ・鳳来湖をせき止めているのが同名の宇連ダムなので、東海地方の人間には多少のなじみがある地名なのかもしれない。が、同名の山の認知度となると怪しい。

ミニ村の主峰
八嶽山 12
■標高 1140.1m ■所要時間 3時間30分 ■アクセス難度 C
 今では隣接の北設楽郡豊根村に吸収された形となっているが、同村の富山地区は、2005年11月27日までは、富山村と言う一つの独立した村だった。南北朝時代の落人集落に始まる歴史を持つ、ちょっとした秘境だ。ダム湖である佐久間湖に面した山の斜面に営まれた村の規模は極めて小さく、最後期における人口は200人強。「日本一のミニ村」として、離島部の村を相手に日本最小自治体の座をかけて争っていた事もある、一面では非常に個性的な村だ。そこで今回は敢えて、絶えて久しい富山村の呼称を用いることにする。富山村内に存在する平地は、ほとんどが人工的に生み出されたものである。家にしろ道路にしろ、山の斜面を削って造られている。そしてそれらが開かれた山こそが、八嶽山だ。富山村自体が愛知県内で最北東に位置した村であり、その中でも北の外れに屹立する山であるため、山頂から北に向かって下ればそこはもう長野県と言う立地である。標高は1140.1m。

特徴的な山容を持つもう一つの明神山
平山明神山 
■標高 970m ■所要時間 2時間 ■アクセス難度 E
 三ツ瀬明神山の回で、少しだけその存在に触れたもう一つの明神山が、平山明神山だ。別名を神田明神山とも言う。後者は銭形平次絡みみたいな名前だと、とりあえず指摘せずにはおれない自分の軽薄さが情けないが、愛知県内では人気の高い山である。総合点で言えば、やはり三ツ瀬の明神山に軍配が上がるものの、山頂が近づくにつれ巨岩の露出する鋭峰は、低山ハイク愛好者からの注目を集めているのも事実である。山陰などに隠れさえしなければ、山頂も含めた近在の土地から一目でそれと分かる姿をしている。愛知県の北東部・北設楽郡設楽町内に位置し、標高は970m。

離れ村の離れ山
離山 
■標高 916.6m ■所要時間 5時間 ■アクセス難度 E
 軽井沢にある同名の山はともかく、一般に愛知県豊根村にある離山の知名度はかなり低い。と言うより、ほとんど無名の山なのではないかと思う。三等三角点のある山なので、地図上に名前が出てくることは珍しく無いのだが、山名そのままに人里離れた立地と、未整備の登山道が障壁となり、一般向けお手軽ハイキングの対象となることはまず無い。例の「愛知の130山」にはその名が挙げられている関係で、同書を手に取るレベルの登山愛好家ならばその名も知っていようが、それにしても最難関の一角と言って良いような取り上げられ方だ。

東海自然歩道三大難所の一つ
【シリーズ:東海自然歩道】岩古谷山 
■標高 799m ■所要時間 5時間30分 ■アクセス難度 B
 岩古谷山は愛知県北設楽郡設楽町の山で、東海自然歩道の経路上に位置している。この周辺には数座の山が密集する形になっているので、縦走に周回と、ハイカーの訪れも多い。一方で、古くは東海自然歩道の三大難所と言われたこともあるような場所でもある。そういう意味では、愛知県内の枠に収まらない山なのかもしれないが、過去形にしたのは、現在の岩古谷山周辺は、階段が設置されるなど、比較的整備の手が入っているため、それほど険阻な印象もないためだ。ただし、切り立った岩山の迫力は未だ変わらず。なお、参考までに追記しておくと、三大難所の残りの二箇所は、裏丹沢(神奈川県)と日坂(岐阜県)である。

裾野に千枚田を従える山
【シリーズ:東海自然歩道】鞍掛山 
■標高 822.6m ■所要時間 5時間30分 ■アクセス難度 B
 鞍掛山は、その名の通り馬の背にかけられた鞍のような形の山だ。ただ、一般によく見かける鞍掛山の写真は、鞍の形に見えない方向から撮影した物も少なくない。この山の裾には、日本の棚田百選にも選ばれた四谷の千枚田が広がっており、日本の農山村の一つの象徴的な風景を創り出しているため、山が千枚田の背景となっているのが良く見かけられる。この場合の鞍掛山は、馬の頭かお尻の方向から見た状態になるため、三角形に近いごくありふれた形をしている。

天狗伝説の山
碁盤石山 
■標高 1189.4m ■所要時間 1時間30分 ■アクセス難度 E
 今は昔。私の友人に「津具」と呼ばれた男がいた。津具とは、津具村のことである。現在は、設楽町の一部となって消滅しているが、かつては愛知県の東北端付近、北設楽郡内に存在した。一般に山奥のイメージが強い奥三河と呼ばれる地域に含まれるが、村内大半の集落が盆地内に存在し、東隣の豊根村に比べれば、だいぶ開けた印象の土地である。しかしそこはそれ、山岳地帯ということもあって、この地域には種々の天狗伝承が残されていた。そして碁盤石山は、そうした天狗伝説を残す土地の一つである。

愛知県内の最高峰
茶臼山 
■標高 1415.2m ■所要時間 50分 ■アクセス難度 E
 愛知県と長野県の県境に位置する山ではあるものの、標高1415.2mの茶臼山は愛知県の最高峰である。3000m級の山々が連なる長野の山として見た場合、茶臼山の高さは県内十傑にも漏れるだろうが、低山県愛知では十分に面目を施しており、茶臼山高原と言えば県内有数の高原リゾート地としてもその名を馳せている。なお、県下唯一のスキー場として知られる茶臼山高原スキー場だが、ゲレンデがあるのは茶臼山の兄弟分と言われる萩太郎山の北側斜面で、芝桜の丘をはじめとする観光名所の多くがあるのも萩太郎山である。茶臼山には、どちらかと言えばおとなしめのハイキングが主体の山だ。

高原リゾートの山
萩太郎山 
■標高 1358.2m ■所要時間 40分 ■アクセス難度 E
 茶臼山の項で書いたとおり、萩太郎山は茶臼山の兄弟格にもなぞらえられる山で、標高は1358.2mと、愛知県内において高さでも茶臼山に次ぐ。一名を萩垂山とも言うらしい。また、茶臼山高原スキー場のゲレンデも、萩太郎山の斜面に開かれたものだし、近年売り出し中の芝桜の丘も、萩太郎山の山頂付近に植栽されたものである。その意味では、格別山に興味のない人にも縁のありそうな山だが、萩太郎の名自体が前面に出てくることはあまり無い。

三河湾を見下ろす山
三ヶ根山 
■標高 325.7m ■所要時間 2時間 ■アクセス難度 A
 三ヶ根山の標高は325.7m。蒲郡市と額田郡幸田町、幡豆郡幡豆町に跨り、奥三河から連なる(と言っても、本宿付近でその山並みは一旦途切れる)山地の末端、幡豆山地に属する低い山だが、周囲にこれと言う高山はなく、しかも南面は何の隔たりもなく三河湾に向いているため、高度の割に好展望の山だ。三ヶ根山頂には、三ヶ根山スカイラインという、ある種無粋な道路が続いているため、車で登るのは極めて容易である。それらの事情のためか、徒歩道の存在を知らない人さえもいるようである。

懐深い三河の山
【シリーズ:東海自然歩道】猿投山 
■標高 628.9m ■所要時間 3時間30分 ■アクセス難度 A
 名古屋市内の高所に登って、東の方を向いて立つと、良く目立つ山が二つある。比較的遠くの一つが恵那山、近くのものが猿投山だ。猿投山の山容はなだらかで、さほど目を引く姿ではないのだけれど、近隣には丘に毛が生えた程度の高みしか見当たらないため、存在感は抜群である。その標高、628.9m。猿投と言う地名は、猿が何かを投げたと言うのではない。景行天皇の時、伊勢にやってきた帝が、連れて来た飼い猿のいたずらに腹を立ててこれを海に投げ捨てた。そして海から逃げ去った猿が、今で言う猿投山に隠れ住んだことから、この地名が始まったのだと言う。

秀麗な薩摩冨士
開聞岳 
■標高 924m ■所要時間 3時間 ■アクセス難度 B
 開聞岳は、薩摩富士の二つ名の通り、古くから薩摩の秀峰として知られてきた。深田久弥による日本百名山の一つにも選ばれているが、他の山々に比べると、格段に標高が低い。それでも深田をしてこの山を百名山の一つに選抜せしめたものは、その山容の端麗さであろう。二重火山と呼ばれることもあり、山体下部がコニーデ、上部がトロイデとなっているとされる。ちなみに標高は924m。これまた良く指摘されることだが、海面から突き出すような山であるため、いざ登山の対象とするとなると、約900mを登る形になるので、標高の割には登り応えがあるとも言える。

下呂から登る御嶽山遥拝の山
下呂御前山 
■標高 1412m ■所要時間 4時間30分 ■アクセス難度 B
 下呂御前山は、岐阜県下呂市にある標高1412mの山だ。何の御前かとなれば、古来信仰の対象にされてきた、木曽の御嶽山の御前という事になる。なるほど、御前山は御嶽山に差し向かいで端座するような山なのだけれど、そういう地理的条件は近在の山にしても同様で、実際近くにはもう一つ別の御前山があったりする。下呂御前山に対して萩原御前山と呼ぶこともあるが、一般の地図を見る限り、萩原御前を単なる御前山とし、下呂御前の方を「空谷山(からたにやま)」としていることも多い。ちなみに、事前資料として山と渓谷社の分県登山ガイド岐阜版を購入したのだけれど、この本で紹介されている御前山は、実は萩原御前の方である。巻頭の岐阜県の山全図を一瞥し、萩原御前と下呂御前を誤認して、資料になると判断して購入に踏み切ったものだが、縮尺の大きい地図上では誤差の範囲に見えてしまうほど、二つの山は接近している。

三河にもあった修験道の山
竜頭山 
■標高 752m ■所要時間 3時間40分 ■アクセス難度 E
 竜頭山(りゅうずさん)という名は、さほど珍奇なものではない。実際、遠州にも竜頭山(りゅうとうさん)と言う名の山があり、ハイカーの訪れを受けている。それでもこの山名が印象に残るのは、「竜」という単語の持つ強さのようなものによるところが大きいのだろう。新城市にあるこの山はしかし、東海自然歩道の走る山並みや、天竜川水系の山塊からは外れており、立地的にも目立たない場所にある。そのため、奥三河名山八選に選ばれてもいるものの、その中でややマイナーな感があるのは否めない。標高は752m。

カルスト地形の山頂を目指して
霊仙山 123
■標高 1094m ■所要時間 5時間 ■アクセス難度 A
 霊仙(りょうぜん)山。単純に霊仙と呼ぶことも多い。滋賀県米原市の東部と犬上郡多賀町に跨る山だ。霊仙とは極めて他愛のない初邂逅を果たしている。歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」の「烈風伝」は、かなりディフォルメされた日本地図を舞台に展開されるゲームだったが、そのおおよその日本地図の美濃・近江国境付近の1マスにカーソルを合わせた時「霊仙山」と表示されるのに気づいたのが、最初である。ゲームの進行には全く影響しない要素だったのだが、その山名だけを見て、神仙の類が住み、神気に満ち満ちた霊山のような印象を抱いた。後になって調べてみると、実際は標高1084mの、特に深くも高くもない山だということが分かったが、なだらかな山頂付近にカルスト地形が広がっているというのには興味を引かれた。

愛知県最奥部のハードコース
日本ヶ塚山 12
■標高 1107.3m ■所要時間 5時間 ■アクセス難度 E
 再三書いているように、愛知県は全国的に見て低山県の部類に入る。その愛知県の最も奥深いところにある日本ヶ塚山も、標高は1107.3mしかないが、登りはじめから山頂までが長く、尾根筋直登の登山道が付けられていて傾斜も厳しいため、県内ではタフな山として知られる。山深いこともあって、気楽なハイキング対象というよりは、もう少し敷居が高い感じであるものの、自然は豊かである。山名は、資料によっては「二本ヶ塚山」としているものもあるそうだが、二つのピークと、そこからほぼ平行に伸びる二本の支尾根を持つ山容から、そのような名になったと解説されることが多い。

木曽の御嶽山に登る
御嶽山 123
■標高 3067m ■所要時間 5時間 ■アクセス難度 D
 木曽の御嶽山は、民謡にも歌われた有名な山である。日本の屋根に連なるような地点に位置しているが、独立峰である。その地勢を見るに、近在の北アルプスにも中央アルプスにも属さない。独立峰ながら巨大な山体を誇るものの、地質学的には準平原の上に噴出したものであるため、火山としての規模は見た目ほどには大きくないという。いくつかのピークが存在している中で、最高峰となる剣ヶ峰の標高は3067m。Wikipediaによれば、日本国内で、御嶽山より西に御嶽山より高い地点はないのだそうだ。

はじめての清掃登山
藤原岳 
■標高 1144m ■所要時間 7時間30分 ■アクセス難度 A
 藤原岳の標高は1144m。鈴鹿山脈には鈴鹿セブンマウンテンと呼ばれる七座の山がある。藤原岳はそのうちの一座であり、セブンマウンテンの中では最も北に位置する。先に登った伊吹山・霊仙山などと同じく石灰岩質の山体を持ち、フクジュソウなどの咲く花の名山として知られている点も共通している。土壌や気候がよく似通っているためなのだろう。濃尾平野の縁、比較的低平な員弁地域の西端に聳えるため。1000mをちょっと超える程度の高度ながら、周辺地域から眺めた時の存在感は抜群である。ただ、石灰石を産する山であるために、近寄ってみればその山肌が大きく削り取られているのもまた良く目に付くあたりは、いささか痛々しい。

市街地の城山
小牧山 
■標高 85.9m ■所要時間 40分 ■アクセス難度 S
 小牧山。往古、織田信長が居城・小牧山城を構えた山である。小牧山城は、清洲城から岐阜城への橋渡しとなる城であり、美濃攻めのための城と言う性格が強い。そしてその知名度の低さが物語るように、信長自身の居城としては短命だった。しかし、それから二十余年の後には、世に言う小牧長久手の戦いの一戦場となっている。標高は85mほどしかなく、周辺地からの比高という事になれば、もっと低くなるであろうことから、山と言うよりは丘とするべきなのかもしれない。勢い、この微高地は、山としてよりも史跡として紹介されることが多い。

愛岐境の里山
鳩吹山 
■標高 312.2m ■所要時間 3時間30分 ■アクセス難度 A
 犬山以東の愛岐県境は、丘陵あるいは山地によって形作られているところが多い。鳩吹山も、そうした山々のうちの一つである。この近郊では人気のハイキングコースとして、「愛知の130山」に取り上げられている。とは言え、実際はほぼ岐阜県可児市の山と言って良い。木曽川に臨む山であり、北東側はわりと険しい岩場が露出していたりする。また、川の右岸から見るか左岸から見るかでも印象が違う。本質的には標高312.2mの山で、登山道も整備されているので歩きやすい山なのだけれど、2014年の正月には、日没の迫る時間帯に入山した会社員が道に迷い、警察に110番で救援要請するというような椿事も発生している。

紅葉の名所・寂光院の裏山
継鹿尾山 
■標高 273.1m ■所要時間 3時間30分 ■アクセス難度 A
 継鹿尾山は、犬山市街の東の外れに位置する山である。界隈は観光都市の性格が強い犬山市の特性が色濃く現れた地域であり、犬山遊園の駅からモンキーパークを行き過ぎ、紅葉の名所で知られる寂光院への道を脇に見ながら進むと継鹿尾山に至る。木曽川に面する北側はわりと急な山肌を見せている。こちら側の山腹にあるのが、有名(?)な桃太郎神社である。そんなこんなで、山自体が有名と言うより、その周りにあるいろいろな施設が巷間よく知られている。ともあれ、愛知県の端と言ってよい場所で、その先は鳩吹山に通じている。

中馬のおひなさんと足助の里山
飯盛山 12
■標高 254m ■所要時間 2時間 ■アクセス難度 A
 足助の町は、三河沿岸部と伊那谷、ひいては塩尻を結ぶ、いわゆる「塩の道」沿いに開けた、歴史ある宿場町だ。特に足助に関して言えば、平野部と山間部の接点付近に位置しているため、平野部を縦横に走る街道が、狭い山襞に入る際、一筋に収斂していくポイントに当たるため、街道上の一通過点と言う以上の意味があった。「中馬」とは、この街道上を、馬に荷を背負わせて往来した運送業者のことだ。そこから、三河と伊那を結ぶ街道のことを、「中馬街道」と呼ぶこともある。飯盛山は、その足助の町の主要部を見下ろす里山である。街道の発達する近世よりも前、戦国時代の話ではあるが、その山上には飯盛山城と呼ばれる城も築かれていた。

三ツ瀬明神のロングコース
三ツ瀬明神山(乳岩峡より) 12
■標高 1016m ■所要時間 6時間30分 ■アクセス難度 B
 愛知県の山でしんどい思いをしたこと。意外に何度かある。宇連山、八嶽山、日本ヶ塚山、岩古谷山から鞍掛山への縦走といったところがそうだ。コースそのものの難度のためではなく、気候条件によるところが大きいのだろうなと言うものもあるが、しんどさレベルは、この中では甲乙付けがたい。そして、乳岩(ちいわ)峡から三ツ瀬明神山に登るコースも、その行程の長さにおいては負けていない。他にいくつかある三ツ瀬明神への登山ルートと区別するため、乳岩ルートなどと呼ばれているものだが、これが山自体の格と相まって、健脚向けのルートとして、よくガイド本に載っている。以前の明神行の下りに採用したことのあるコースだが、これの往復に挑むことにした。

アクセス至便の鈴鹿の山
御在所岳 123
■標高 1212m ■所要時間 4時間10分 ■アクセス難度 S
 御在所岳は、鈴鹿山脈の北寄りに位置する標高1212mの山だ。今回種本にした山と渓谷社の分県ガイドによれば、全国区の山と言えるほどのものなのだそうだ。地元に住んでいると、この山が他地域からどのように見られているか、直感的には分かりにくい話ではあるけれど、少なくとも東海地方において非常にメジャーな山であることだけは間違いない。今から20年以上前には、「夏の札幌より2℃低い」と言う惹句のテレビCMを流していた記憶もあるが、それほど良く知られた避暑地であるため、子供の頃にはロープウェイで登ったこともある。

設楽町和市周辺の二座
鹿島山・大鈴山 
■標高 1011m ■所要時間 2時間30分 ■アクセス難度 B
 鹿島・大鈴という二座の山があるのは、設楽町内の田口地区近傍である。過去に的にした山としては、平山明神山、及び岩古谷山が近い。そのため、山と渓谷社の分県ガイドでは、鹿島・大鈴のみでのコースコーディネートはされておらず、平山明神を絡めた周回ルートが紹介されている。人によってはこれにさらに岩古谷も含めた四座周回に挑んだりもするようだが、鹿島・大鈴から平山明神方面に向かう際、さらに平山明神から岩古谷に向かう際には、両側面が切れ落ちた狭い岩尾根(ナイフリッジ)や、薄い踏み跡を辿ったりする箇所があるため、初心者が安易に踏み込んではいけない上級者コースに位置づけられている。ただ、周回はともかくとして、登山道がたどる経路の関係上、鹿島山あるいは大鈴山のそれぞれを単独で登る登山者は多くないと思われる。

巨大樹の森に分け入る
南木曽岳 123
■標高 1679m ■所要時間 5時間30分 ■アクセス難度 A
 南木曽岳(なぎそだけ)は、その名の通り長野県南木曽町に位置している。近在のよく知られた地名として、西麓には中仙道妻籠宿がある。ただ、標高は1679mにもなるため、ちょっと「妻籠の裏山」とかいった雰囲気ではない。のみならず、比高差がかなりあるため、妻籠辺りからだといまいち全容が掴みにくいのもある。一座の山としては、山頂付近の笹野原と、御嶽山や中央アルプス方面への好展望によって特徴付けられる。木曽の谷筋に面した山ではありながら、主稜線から外れるためか、一般的に中央アルプス(木曽山脈)中の一座として扱われることは少ない。ただ、中アとの間を深い谷で隔てられているわけでもなさそうだ。

西日本の最高峰
石鎚山 123
■標高 1982m ■所要時間 4時間30分 ■アクセス難度 B
 日本列島を東西に分かつことを考えた時、その分け方には色々なやり方が考えられるが、多くの場合その中心線は岐阜県内を通ることになると思う。高さが山の全てではないものの、こと標高という点に着目すれば、このことは重大な意味を持つ。3000m峰の連なる日本の屋根たる日本アルプスは、岐阜と長野の県境線とほぼ一致する。端的に言えば、西日本には東日本ほどの高峰が存在しないということになる。そんな西日本にあって、近畿以西の最高峰に位置づけられるのが、愛媛県にある石鎚山である。標高は1982m。

神話の山に登る
恵那山 12
■標高 2191m ■所要時間 5時間 ■アクセス難度 E
 恵那山は、岐阜県東濃と長野県伊那地方の間に鎮座する山だ。一般に、中央アルプスの南端とされる。山名は、日本神話における国産みの神イザナギ・イザナミが、アマテラスを生んだときの胞衣(えな)を山中に納めたという伝説による(ちなみに「古事記」の記述では、アマテラスは黄泉から帰ったイザナギから生まれている)。地元中津川辺りはもちろん、高所であれば名古屋からでもその堂々たる山体が見える。深田久弥による日本百名山に選ばれているだけあって、百名山ハンターと呼ばれる人種のターゲットとなることも多いようだが、ネットで見られるいくつかのホームページを見ていると、一般の評価はあまり高くないようだ。

鈴鹿の鋭鋒
鎌ヶ岳 12
■標高 1161m ■所要時間 4時間20分 ■アクセス難度 S
 刃物関係の名前が付いている山というのは、大抵峻岳である。剱岳然り、槍ヶ岳然り。鎌ヶ岳も、農機具とは言え、いっぱしの刃物ではある。茫洋とした山容の山が多いといわれる鈴鹿山脈の中では、文字通り尖った山として知られ、その尖りぶりは、「鈴鹿の槍ヶ岳」の異名を取るほどだという。が、鈴鹿の槍程度であれば、私にも付け入る隙がありそうではないか。気になる標高は1161m。鈴鹿では有名どころの山らしく、例のセブンマウンテンの一つにも選ばれている。なお、掲示している写真は左が鎌ヶ岳、右が御在所岳である。

関西の名コース、歴史の道
六甲山最高峰(魚屋道) 123
■標高 931m ■所要時間 4時間 ■アクセス難度 S
 六甲山という地名は、関西住まいでない人間にとっては、どこか茫洋としてつかみどころも無く響く。土地勘が無いので当たり前と言えば当たり前なのだが、一体どこのことを言っているのかが定かでない。新幹線にせよ在来線にせよ、神戸の街を走り抜ける時、北側に見えるのがそうなのだと言うのは分かる(ただし、新幹線の場合だと六甲山直下の区間はほとんどトンネル化している)。不思議なもので、名古屋から離れる時は良く目に付くのに名古屋へ戻る時はそうでもないくだんの山は、しかし長大な連なりを誇っている。

東三河の主峰
本宮山 
■標高 789m ■所要時間 4時間30分 ■アクセス難度 A
 仔細に調べてみたわけではないけれど、本宮山という山名は、平凡と言うか特に珍しい物ではない気がする。各地域地域で信仰を集める神社の里社に対する、その奥社=本宮の祀られた山、すなはち本宮山。そういう成り立ちの山名である。今回種本とする毎度おなじみ「愛知の130山」にも、三河と尾張、二つの本宮山が紹介されている。山は、それ自体も信仰の対象になり易い。豊川市、新城市、岡崎市の三市にまたがる三河本宮山は、まさにそういう山で、三河国一宮である砥鹿神社の奥社がある。もっともこの山は、東三河の平野部から見ると、周りの山を従えているかのような、一際目を引く姿をしてしている。そういう山だから、もともと山自体が信仰対象だったのが、砥鹿神社の信仰に習合されていったのかもしれない。

定光寺からのハイキング
【シリーズ:東海自然歩道】高根山・山星山 
■標高 327.5m ■所要時間 4時間30分 ■アクセス難度 S
 JR中央線の駅に定光寺と言う駅がある。駅名の由来になっているのは、尾張徳川藩祖である徳川義直の菩提寺で、名古屋近郊では有数の紅葉の名所としても知られる。周辺は、名古屋市郊外と言っても良いような場所なのに、ちょっとした深山幽谷の趣がある。猿投山北麓で三河の山間部を抜け、平地の優越した尾張地方に入った東海自然歩道は、この辺りを通り、内津峠を越え、犬山東部丘陵を経て岐阜県に向かう。高根山と山星山は、いずれも東海自然歩道の経路上に位置しており、定光寺付近の山中にある。もっとも、標高はそれぞれ、253mと327.5mに過ぎず、山というよりは丘である。地元低山ハイクのガイド本では、近隣を周回して半日程度のコースとして紹介されていることが多い。

瀬戸市を見下ろして
【シリーズ:東海自然歩道】岩巣山 
■標高 480.5m ■所要時間 4時間30分 ■アクセス難度 A
 岩巣山は、瀬戸市郊外に位置する480.5mの山だ。かつての愛知万博の際、当初の会場予定地にはされていたものの、オオタカの営巣地であることが分かり、最終的に造成工事を免れた海上の森にも近いというが、私はこの辺りの地理に暗いため、どの程度近いのかは直感的に分かりにくい。岩巣山は、今回の山行の前半で通過してきた高根山・山星山よりは、一回りか二回りほど高く、恵那や三河方面の山々との連なりもイメージしやすいため、より山登りらしい道行きを期待できる。反面で、東海自然歩道の本線上に位置していた二座の山に対し、こちらは脇道にそれたところにあるため、自然歩道そのもののガイドを眺めても、名前は出てこないことが多い。

春日井三山縦走
【シリーズ:東海自然歩道】道樹山・大谷山・弥勒山 
■標高 436.6m ■所要時間 7時間 ■アクセス難度 S
 名古屋は平坦な都市である。市域に山らしい山がほとんどない中で、一応東谷山が市内唯一のハイキングコースのような位置づけになっている。しかし、如何せん高度感がなくコースそのものも短い。次に手ごろなところとなると、春日井三山と呼ばれる山々だろう。その名のとおり、春日井市域の東端部に位置する。道樹山・大谷山・弥勒山という三座の山は、標高にして400m前後を誇り、200mに満たない東谷山の二倍以上に相当する。そして周囲に高い山がないことから、展望も良い。今回は、東海自然歩道を歩いてこれらの山を越え、入鹿池を目指す。

入鹿池の奥山
【シリーズ:東海自然歩道】八曽山 
■標高 326.9m ■所要時間 7時間 ■アクセス難度 A
 八曽山は、「こんなに楽しい愛知の130山」をはじめ、一般的な書籍などに見られる山名である。実際、八曽という地名自体は、山の周辺に確かに存在する。八曽国有林とか八曽キャンプ場とかいった具合に。ただ、地元ではあまり馴染みのない名のようでもある。山の名は黒平山とするのが地元の慣例としてあるらしい。いずれにせよ、決して目立ったところのある山ではない。標高は326.9mで、このあたりの山としてはごく平均的な高さである。奥入鹿側からのハイキングのクライマックスに登られたりすることが多いのだろうか。地味であるとはいえ、登れば登ったなりの楽しみはある山なのかもしれない。

お花畑と薬草の山
伊吹山 
■標高 1377m ■所要時間 5時間 ■アクセス難度 A
 伊吹山は、岐阜滋賀両県の境界付近に位置する山だ。標高は1000mを少し出る程度で、決してずば抜けた高山と言うわけではないのだけれど、人里に近いこともあって、近隣の山の中では抜群の存在感を誇っている。この山を百名山の一に選んだ深田久弥も、東海道本線の車窓から見えるポコッと盛り上がった伊吹の山容に心惹かれるものがあったらしい。この山は、新幹線や名神高速道路といった国内交通の大動脈からも良く見える。ヤマトタケルによる東征神話の最後の舞台としてその名が登場したのも、街道から見えるところに位置していたためだろう。ヤマトタケルは、この山の悪神との戦いで傷つき、命を落とした。ずっと後の中世になると、この山には織田信長の薬草園が作られた。名物として知られる伊吹もぐさも、薬草の産地ならではの品だったのだろう。薬草園からのつながりで言えば、この山はお花畑の山としても知られる。

天孫降臨の山
高千穂峰 
■標高 1574m ■所要時間 2時間 ■アクセス難度 C
 古来、日向国高千穂は、天孫降臨の地として知られている。ただし、現在の宮崎県内には、高千穂の名を頂く二つの地名が存在している。一つは県北にある西臼杵郡高千穂町。そしてもう一つが、霧島連山の一つである高千穂峰(たかちほのみね)だ。どちらが記紀に見られる神話の地か、その評価は定まっていないし、結論も出ないのだろう。そのためか二つの土地は、よくある本家争いみたいに、どちらが正統であるとも、声高には主張していないようだ。

飛騨南部の遅い春
萩原御前山(未踏) 
■標高 1646.3m ■所要時間 6時間 ■アクセス難度 B
 以前、「山登ってみよう」の東谷山の回のときに、深田翁が言う「ふるさとの山」のことに言及したことがある。東谷山は、名古屋市内の最高所にして、市内唯一の山らしい山ではあるが、それでも全然高さが足りない。他方、名古屋市内の東方に構える大きな山塊が猿投山である。これは、東谷山に比べればずいぶん山らしいたたずまいを見せているし、分け入れば、豊かな森の中を登山道が延びており、名古屋郊外のハイキングコースとしても手ごろだ。もう一回り大きく有名なところとなれば、恵那山も控えている。こちらは一応全国区の山ながら、濃尾の山としての色がある。とは言え、私にとってのふるさとの山となれば、きっとそれは御嶽山と言うことになるのだろう。本当に天気が良ければ、名古屋市内の高所からも御嶽山を望むこともできるが、少しずつ気候が良くなり、雪篭めだった山の「解禁」も進みつつあると思われる春の日、本格的な山シーズンの到来を前に、わが心の山である御嶽山を特等席で眺めるため、岐阜県は下呂市萩原町にある萩原御前山にアタックを仕掛けることにした。

御嶽の展望台
白草山 
■標高 1641m ■所要時間 2時間30分 ■アクセス難度 B
 白草山は、下呂と萩原の二つの御前山、加子母の小秀山などと並び、御嶽山の展望台と言うことになると、まず名前が挙がってくる山である。岐阜県下呂市と長野県王滝村の境に位置し、飛騨南部有数の人気ハイキングコースと言われるほどにメジャーな山だ。おそらく森林限界とは違うのだが、そのなだらかな山頂付近に立ち木はなく、高原の向こうに御嶽の大きな山体がそばだつような景観を楽しめる。標高は1641m。ただ、登り始めの標高もかなり高いため、それほど長いコースではない。

青崩峠から登る南アルプス南部の展望台
熊伏山 
■標高 1653.3m ■所要時間 2時間30分 ■アクセス難度 E
 ゴールデンウィークには奥三河の山が良い。飛騨の山は少し前でも雪が残っていたが、三河の山はさほど気候冷涼ではないので、もう新緑が美しい時期である。と言って、茶臼山(萩太郎山)なんかはまずい。芝桜にはまだ少し早いが、人波に飲まれ、渋滞に飲まれかねないので、狙い目はそこではない。とっつき易い設楽町・東栄町の山でもない。理想を言えば富山村のような奥地にある山が良いが、富山周辺で登り易い山はすでに踏破してしまっている。そこで、新しいところで手ごろな山はないかと、地図上視線を東に滑らせて行って見つけたのが熊伏山だ。長野と静岡の県境上に位置する山である。標高は1653.3m。いわゆる三猿南信地域に含まれるため、風合いとしては富山村の山に近いものがある。

高原状のスカイラインを描く山
【シリーズ:ダイヤモンドトレール】葛城山 
■標高 959.2m ■所要時間 6時間 ■アクセス難度 A
 ダイヤモンドトレールは、阪奈境の山地をつなぐ縦走路である。略称はダイトレ。屯鶴峯(どんづるほう)にはじまり槇尾山に終わるその延長は、およそ45kmにおよぶ。○×自然歩道の類に比べると総延長は短いが、なかなか1日で踏破できるものでもないため、やはりルート上の一地点から一地点へ、コースを分割して歩くのが一般的らしい。後に誤解と知ることになるが、ヒトコトヌシ伝説の山として葛城山の登頂を目論んだ私は、この山と良く似た伝説の山・金剛山が隣り合っていることを知り、その二つの山を結ぶ縦走路としてダイトレが存在するのを知り、二座制覇を期してこの道を歩こうと考えるようになった。思えば、金剛山を通るからダイヤモンドなのかもしれないが、名前の由来は定かではない。

ヒトコトヌシ伝説の山
【シリーズ:ダイヤモンドトレール】金剛山 
■標高 1125m ■所要時間 6時間 ■アクセス難度 A
 金剛山は、大阪府の最高峰…みたいなものである。山頂は奈良県側に入り込んだところに位置しているが、府内最高地点はこの山中にある。何であれ、大阪府内では数少ない避暑地の位置付けをされているようで、大阪側からだとロープウェイによって山頂直下まで労せずして登ることができる。そしてロープウェイの駅までは、河内長野駅から路線バスが走っている。観光地として開発された感の否めない山であるものの、雄略天皇が出会ったという神・ヒトコトヌシの伝説を残す山でもある。ちなみに、奈良県側から登ることを考える場合は、大なり小なり徒歩で登らなければならない。

日本三霊山の一角
白山 123
■標高 2702.2m ■所要時間 6時間 ■アクセス難度 C
 石川・福井・富山・岐阜の4県にまたがって山域を構える白山の山名は、この地域で最も遅くまで雪を頂くその姿が、遠目にも白く目立つことに由来するのだという。最高峰となる御前峰山頂の標高は2702.2mで、アルプスの主峰級に比べるとかなり低いが、冬場に雪の多い北陸地方の気候もあいまって、山上に雪のある期間は長い。かの深田久弥翁は現在の加賀市出身で、加賀の霊峰として古くから知られたこの白山を、もちろん百名山の一座に加えているが、白山の章では、同じく「白い山」の意味を持つ外国の高峰として、モンブランやダウラギリを挙げている。そして加賀白山からさほど離れていない奥美濃にも、近隣では最後まで白く見える能郷白山と呼ばれる山がある。二つの山はともに岐阜県の西側を他県と分かつ山地の主峰級となっているため、これらが属する山地は両白山地と呼ばれる。

火伏せの守り神・愛宕さんに登ろう
愛宕山 12
■標高 924m ■所要時間 3時間30分 ■アクセス難度 A
 京都府も、高山には恵まれないイメージのある都道府県だ。しかし、京都市に限れば、古都を守る結界の如き峰々によって、三方を囲まれている。これももちろん高山峻岳ではないのだけれど、里山と言うにはもう少し近づきがたい。ある種の霊山ではあるが、自然発生的に神格化された高峰とは違い、鳴くよウグイスの平安遷都以降、まさに帝の在す首都を守るべく、数多の仏や神が祀られ、聖域化されていった山々なのだろう。火伏せのご利益で知られる愛宕山もそうした山の一つで、鎮護国家の大道場として知られる比叡山とは対照的に、古くから庶民的な信仰を集めている。と同時に、登山の対象としても親しまれているが、標高924mという高さから受ける印象に反し、冬の山頂などは凍てつく寒さなのだと言う。では、夏ならば…?

嵐の高峰
立山 123
■標高 3003m ■所要時間 4時間30分 ■アクセス難度 A
 立山は、日本三霊山のうちの一座である。同じく北陸地方を代表する名峰である白山とは、奇しくも三座の中の二座を分け合っている。押しも押されもせぬ名山でありながら、学生時代を金沢で過ごした私は、これらの山に対し格別の興味を持つことはなかった。ただ、金沢市街からまともに見えないためにあまり印象に残らなかった白山と違い、アルバイトで出かけた魚津の街中から見えた、雪を頂き青白く輝くような立山の山並みは、鮮烈なまでに印象に残っている。時に11月頃のことだったと思う。このときに私が見たのは、厳密に言うと立山連峰である。これまた白山と通じる物があるが、立山と言う名の山は存在しない。慣用的に立山連峰のことを立山と言ったりもするが、より狭義では、立山黒部アルペンルートで名高い室堂平から登れる標高3003mの雄山とその周辺の山を立山と呼ぶことも多い。

アルプスに登るということ
西穂独標(未踏) 123
■標高 2701m ■所要時間 3時間 ■アクセス難度 A
 富士山が世界遺産登録されて初めて迎えた夏。富士山は大層な盛況ぶりだったという。高山の中でも圧倒的に一般受けする富士山に対し、言うなればマニア向けとなるのが槍・穂高だ。難易度云々ではなく、山に興味はないけど槍や穂高に登ってみるという人は、そうはいまい。槍ヶ岳はともかく、例によって穂高岳という単独のピークはなく、実際には奥穂高、前穂高と言った具合にいくつかの山が寄り集まって一群の山塊を形成しているが、その中でも入門編・初心者向けに位置づけられるのが西穂高岳だ。何と言っても、新穂高ロープウェイでかなりの高度を稼ぐことができる。反面で、西穂独標から先の道は険しく、初心者が不用意に進むと立ち往生するコースだとも言われている。

愛知の高原地帯
【シリーズ:東海自然歩道】棚山 12
■標高 760m ■所要時間 5時間30分 ■アクセス難度 B
 愛知県内を対象にしたハイキングガイドの本には、新城市の北部に位置する山として、棚山を紹介する物も多い。隣接の山としては、宇連山、鳳来寺山があり、いずれも愛知県ではメジャーどころの山である。これら二座とは、両方と東海自然歩道によって結ばれる棚山だが、その東海自然歩道のルートガイドで見られる「棚山」の表記は、専ら棚山高原というものだ。高原の名そのままに、この周辺には山と言って一般に想起されるような顕著なピークはなく、ほとんど平坦な高地が広がっている。棚山とされるものは、標高点の存在する周辺最高地点のことで、その標高は760m。なお、東海自然歩道はこの760m地点を通らない。

女神の住む山
蓼科山 12
■標高 2530.3m ■所要時間 4時間 ■アクセス難度 A
 蓼科山は、その一名を諏訪富士と言う。世に○○冨士と呼ばれる物は、本家富士山に似た円錐形の山体をしており、その印象はシャープでスマートなものも多いが、そうした中にあって蓼科山は、どちらかというとずんぐりと丸みを帯びたフォルムの山である。標高は2530.3m。八ヶ岳に隣接し、周辺の山の高さもそれに近く、どうかすると他の山の陰に隠れてしまうこともあるため、諏訪地方のどこからでも見えると言うほど突出して背の高い山ではない。しかし、見えるところまで行けば、確かに印象深い山容を誇っているのもまた事実だ。

お手軽3000m峰
乗鞍岳 
■標高 3025.6m ■所要時間 2時間10分 ■アクセス難度 A
 乗鞍岳は北アルプスの最南部、岐阜県と長野県の県境付近に位置する標高3025.6mの山である。俗に3000m峰などと言うが、山国日本の国内でも3000m以上の標高を誇る山と言うのはそんなに多くはない。そんな中で乗鞍岳は、上から数えて21番目となる高峰である。さりながら、乗鞍スカイラインにより2700mの畳平まで車で上がることができるため、ロープウェイで山頂直下まで登れる木曽駒ケ岳などと並び、俗に「ハイヒールで登れる3000m峰」などと呼ばれることもある。なんとも揶揄めいた響きはあるが、さすがに山頂まではハイヒールで登れない。なお、乗鞍スカイラインについては2003年までは一般車の乗り入れも可能だったが、周辺自然環境の悪化を理由に、現在ではバスを初めとする許可車両が出入りできるのみとなっている。

奥三河の里山
尾籠岩山 
■標高 700m ■所要時間 2時間30分 ■アクセス難度 B
 北設楽郡東栄町にある尾籠岩山は、はっきり言ってマイナーな山である。ガイド本の目次に並んだ時、確かに印象に残る名前ではあるけれど、その成り立ちは「尾籠岩の山」ではなくて「尾籠の岩山」である。尾籠と言うのは集落の名で、地元では専ら岩山と呼ばれている。「尾籠」と書いて「おろう」とか「おろ」とか呼ぶ。尾籠岩という、何ぞ曰くや伝説のありそうな岩が山中存在するわけではなく、山名自体も凡庸である。地図上名前が出てくることも無いため、標点の類の無い、事実上の無名峰なのかも知れない。しかしながら、現地尾籠の集落まで脚を伸ばすと、岩山の名そのままに、巨大な岩盤の露出したこの山の威容が視界に飛び込んでくる。

足助の里山再び
黍生山 
■標高 374.4m ■所要時間 1時間30分 ■アクセス難度 A
 「黍生」と書いて「きびゅう」。奥三河は豊根村の方にキビウ峠と言うのがあったが、多分同じことである。黍の生えるところと言うほどの意味の地名なのだろうが、日常あまり見慣れない字が使われている地名でありながら、少なくともこの地方では良くある地名なのかもしれない。もっとも黍自体は、野生種ではなく、専ら人によって栽培される植物のような気がする。あまり自生する物のようにも思えない。
 黍生山は、「愛知の130山」の中では「黍生」の名で掲載されており、一般の地図上もそのように表記されているのだけれど、地元ではお尻に山を着け、世間並みの山と同様の名で呼ばれているようである。黍生というのはこの地域の字名が標高点の名前に使われているものなのだろう。公式には無名峰で、通称的に黍生山と呼ばれているのかもしれない。標高はわずか374.4mに過ぎないが、足助の周辺では最も高いらしく、以前に登った飯盛山よりも一回り高い。そしてやっぱり、城山なのだそうだ。ちなみに、本の中では飯盛山と二つで一つのコースである。

旧中山道を歩く
【シリーズ:古道探訪】馬籠峠 12
■標高 801m ■所要時間 6時間 ■アクセス難度 B
 一般に木曽路といわれるものは、旧中仙道のうちでも木曽谷を通る区間を意味する。山がらみで言えば、木曽山脈、つまりは中央アルプスの西側谷筋につけられた古道だ。旧宿場で言うと、贄川宿から馬籠宿までの十一宿がこれに該当する。狭隘な谷間の土地であることから、近年を迎えても猛烈な都市化にはさらされず、宿場時代の古い町並みがあちらこちらに残ることでもよく知られている。その中でも最南からの二宿、妻籠・馬籠は特に有名で、今も多くの観光客を迎え入れている。木曽路全般は、古道ハイクのコースとしても人気があるようだ。

豊橋市民心の山
石巻山 
■標高 358m ■所要時間 6時間30分 ■アクセス難度 S
 生まれの地は豊橋、それから物心つくかつかないかまでの間を別の場所で暮らし、再び豊橋に引っ越して、小児期の終わりと言って良いような時期までをそこで過ごした。住んでいたのは市内の東、静岡県までは山を隔て、車で20分ほどの場所だった。この山並みを、弓張山地と言う。地元では、赤石山系、つまりは南アルプスの南端だと言われることもあるが、実際には天竜川水系によって南アルプスの主峰とは厳然と分かたれているため、山慣れた人が南アルプスの続きだと言っているのを聞いたことはない。いずれにせよ、決して高い山並みではなく、豊橋市域の東に連なるこれらの山は、せいぜいが300m程度の高さしかない。そして、子供の頃の私が朝な夕なに眺めたこれらの稜線上には、豊橋自然歩道と名づけられた散策路がある。

富士・浜名湖をも望む
神石山 
■標高 324.7m ■所要時間 6時間30分 ■アクセス難度 A
 石巻山は、豊橋市内からよく目立その山容から、豊橋市民の心の山と言えるのだろう。これに対し、豊橋近郊で良くハイキング対象になる山としてもう一つ、神石山と言うのがある。やはり弓張山地に属する山で、豊橋自然歩道を南に向かって歩いて行ったところにある。扁平なスカイラインを描く中の一ピークであるため、山麓からはほとんど印象がないものの、好展望の山として知られる。高度感はなく、豊橋市街方面を見晴るかすこともできないが、それとは逆の静岡県側に視界があり、浜名湖や、冬の天気の良い日なら富士山を望むことができるのだそうだ。

名古屋近郊のミドルコース
各務原ルプス(金比羅山・明王山) 12
■標高 383m ■所要時間 4時間30分 ■アクセス難度 A
 各務原アルプスは、各務原市とその周辺市町の境界を形成する山地だ。通称みたいなものだが、それにしてもアルプスとは、大きく出たものである。名古屋近郊の山界隈では、ぼちぼちその名が聞かれるようになっては来ているものの、まだ名前が先行している感は否めない。アルプスなので一座の山を指す呼称ではないけれど、高さはなく、ニュアンス的には豊橋自然歩道レベルのハイキングコースといったところだ。そして各務原市北部山岳の稜線を歩くことになるこのコース上には、さほどに著名な山は存在しない。一方で、風媒社刊「こんなに楽しい岐阜の山旅100コース 美濃[下]」の中には、この山地に含まれる個別の山名が掲載されこそすれ、各務原アルプスの名は見られない。

豊田市郊外のハイキングコース
【シリーズ:東海自然歩道】猿投神社〜香嵐渓 12
■標高 200m ■所要時間 7時間 ■アクセス難度 B
 東海自然歩道は、東京都八王子市を発して大阪府箕面市に至る長さ1697kmの自然歩道だ。うち、愛知県コースは200kmあまりを占める。自然歩道なので、いわゆる山道とイコールではないのだけれど、自然の豊かなところとなると、やはり第一義的には山中なので、これまでの山行で東海自然歩道を辿ったことは何度かある。そうしたところ、愛知県内コースの半分ほどを踏破するに至っている。そしてそんな中、かなり長い未踏区間となっているのが猿投神社から田口までの間である。当然、1日で歩けるような距離ではない。しかし、何となくこれをつなげてみようと思い立つ。といったところで挑戦してきたのが、猿投神社から香嵐渓までのコースだ。

日本一低い山への挑戦
天保山 
■標高 4.53m ■所要時間 20分 ■アクセス難度 S
 大阪にある天保山は、日本一低い山として知られる。その出自を辿れば、天保年間(1830〜1844)に行われた安治川の川ざらえの時に出た川砂を積上げた人工の山である。もとは20m余りの高さがあったようだが、河口部の微高地ゆえに使い勝手が良かったのか、誕生以降さまざまな用途のために土木工事を施され、その都度山肌を削られた。そのため、現在では4.53mの高さしかない。誰が見ても明らかな高山はともかく、山そのものの定義があいまいであるため、何を持って低山とするかは難しい問題を含むが、二等三角点の設置された地名として天保山の名が出てくるため、大阪市などが「日本一低い山」をもって任じているようだ。海に面しているだけに、気候も完全に海洋性のそれなのだけれど、その独特の地勢の故、装備品の選択を誤ると、天保山への旅は非常に厳しいものとなる。

ロングコースで挑む東海自然歩道愛知県内最高点
【シリーズ:東海自然歩道】寧比曽岳・筈ヶ岳 12
■標高 1120.6m ■所要時間 9時間50分 ■アクセス難度 B
 山を表す漢字一字「山」と「岳」にどんな違いがあるのか、その正確なところを調べたことはない。ただ、有名な何とか岳というのは、日本アルプスに多く見られる気がするし、それ以外のものも決して低山ではなさそうだ。「愛知の130山」を開いてみたところでは、130座もの山がある中で、岳で終わる山は6座を数えるだけだ。愛知の山は軒並み低い。寧比曽岳(ねびそだけ)、そしてその隣接峰である筈ヶ岳は、そのうちの二つである。特に寧比曽岳は愛知県山岳界においては独特な地位を占める山であり、東海自然歩道の本線ルートと恵那ルートの分岐点であるとともに県内最高地点でもある。さらに、同道上で富士山を望むことができる西限の地であると言われている。標高はそれぞれ、1120.6mと985.2m。公共交通機関によるアクセスが大前提となる東海自然歩道トレールにおいて、寧比曽岳の前後はそういったものに恵まれず、ある種の難関と言って良い。どうしても、歩行時間が長くなる。

静かな中央アルプスの展望台
糸瀬山 12
■標高 1867m ■所要時間 6時間 ■アクセス難度 C
 糸瀬山は、長野県木曽郡大桑村に位置する。大桑村自体は、木曽郡の名前そのまま、木曽谷の南部に位置する自治体である。糸瀬山も、中央アルプスこと木曽山脈につながる山のうちの一つではあるが、言うなれば山脈の前山と言った位置づけの山となる。古くから里人との関係も深いようで、里山と言えば言えなくもないのかもしれない。ただ、「前山」「里山」と言って侮るなかれ。その標高は1867mに達し、急登の多い長い道中も相まって、気軽なだけのハイキングの対象にはしにくい山として、ガイド本に掲載されていたりする。その一方で、特筆するほどの危険箇所や技術の求められる局面もないため、総合的にその評価は、健脚向けの山と言うところに落ち着く。中央アルプスの前座峰であることから、そちら方面への眺望には定評がある。

大日如来の鎮座する山
大日ヶ岳 
■標高 1709m ■所要時間 3時間 ■アクセス難度 E
 学生時代に下宿していた金沢と実家の間を、最も安価に行き来する方法こそが、自車で国道を延々走ると言うものだった。41号は一度だけ走ったことがあるが、明らかに遠回りだった。よく使ったのが、北陸の基幹路線である8号を走るコースと、大学の裏山から富山県の城端に抜け、そこから156号を南下するコースだった。愛知から石川に向かう場合は8号を、その逆の場合は156号を良く使っていたと思う。その156号沿いに道の駅・大日岳というのがあった。駐車場とトイレ以外にはごく地味な売店があるだけだったが、仏教色を感じさせる大日岳の名は気になった。時は流れ、飛騨地方を物見遊山の旅行の対象とするようになると、今度は東海北陸道ひるがの高原SAから眺める大日ヶ岳の姿が印象に残るようになった。そういう経緯から、大日ヶ岳はいつか登ってみたい山の一つとなっていた。

道は木曽川を越えて
【シリーズ:東海自然歩道】入鹿池〜鵜沼宿(継鹿尾山) 12
■標高 273.1m ■所要時間 5時間50分 ■アクセス難度 B
 東海自然歩道の旅は、いよいよ愛知県脱出を企てる段階に差し掛かっている。そもそもは岩古谷山から鞍掛山への縦走路として東海自然歩道を利用したに過ぎないものが、今では県内あちこちの区間を歩くに至った。そうなってくると頭をもたげるのは、全線踏破の野望だ。そして漠然と全線踏破を志向するようになると、西から東へ上るか、東から西へ下るかの選択を迫られるようになったが、方針として「名古屋から遠ざかっていく」で行くことにした。すなはち、定光寺以東については東を目指し、以西については西を目指す。そしてついに、名古屋以西コースにおける県内最後の取り残しを歩くことにした。

天下分け目の古戦場から孝子伝説の地を目指す
【シリーズ:東海自然歩道】関ヶ原〜沢田(松尾山) 
■標高 292.9m ■所要時間 3時間40分 ■アクセス難度 A
 大方の日本人は、その昔に関ヶ原の戦いという一大会戦が戦われたのを知っていると思う。そして歴史に詳しい人ならば、小早川秀秋という武将の裏切りにより、戦の勝敗が決したことも知っているだろう。その秀秋が陣取っていた場所が松尾山という山だったという情報が即座に出てくるとなると、これはもう歴史マニアとかの領域に片足を突っ込んでいると言える。この歴史の舞台をもたどる東海自然歩道は、周遊コースとなって関ヶ原の戦跡をたどったあと、古代の関所であった不破の関跡付近から松尾山を越えて養老山系を目指していく。

東山三十六峰を辿る
京都一周トレイル・東山コース 1234
■標高 848.3m ■所要時間 9時間 ■アクセス難度 S
 京都一周トレイルは、盆地の町・京都を取り囲む山につけられたハイキングコースだ。その名の通り、ぐるりを囲むと言いたいところだが、京都市の南方には山地が存在しないため、東山、北山、西山と、北山のさらに北方に位置し、府内でもかなり山深いエリアを通る京北コースから成る。周回路としては、東と北と西で完結していると言っても良い。その中でも今回は、東山コースに挑戦してみることにする。東山文化とかの東山である。伏見稲荷の最寄り駅、京阪線のその名も伏見稲荷駅を起点とするこのコースは、京都市街と山科区を隔てる山並みを北上し、比叡山に至る約25kmの道のりとなる。俗に東山三十六峰とも言うが、古都京都を象徴する風景の一つとなっているこれらの山々を縦走するコースと言うこともできる。

旧中山道を歩く
【シリーズ:古道探訪】鳥居峠 12
■標高 1197m ■所要時間 2時間 ■アクセス難度 B
 峠が好きだ。趣味人の私にしては珍しく、そんなに熱心に活動している分野ではないものの、過去に越えたことのある野麦峠や天羽峠、そして安房峠はその所産である。県道だったり、現役国道だったり、旧国道だったり、その属性はバラバラなのだけれど、これらはいずれも車で越えられる峠だったし、そのようにして来た。これに対し、古道系の峠と言うのももちろん興味があって、馬籠峠越えの回はこちらにカテゴライズされる。今回は、馬籠峠と同じく前々から興味を持っていた峠・鳥居峠に挑むことにした。馬籠と同じく木曽路の峠である。馬籠峠では峠の前後に加え鞍部近くにも宿場町を開かれていたのに対し、鳥居峠は奈良井宿と藪原宿の間に横たわる峠に過ぎないが、中山道の難所のひとつとして知られ、中央分水嶺の一部である。

燃える山
焼岳 12
■標高 2455m ■所要時間 5時間30分 ■アクセス難度 S
 焼岳は、名前の通りその内に火山熱を宿す火の山である。大正時代におけるこの山の噴火による泥流が、山麓の梓川をせき止め、山紫水明の地・上高地に大正池を生み出した事実はつとに有名だ。また、現在では信飛を結ぶ基幹道路として、多くの通過交通に利用されている安房トンネルは、工事中に痛ましい事故に見舞われている。今でこそアカンダナ山の南山腹につけられたトンネルとされているが、事故当時は漠と焼岳山塊の一部を貫くトンネルであると言われていた。呼称の遷移はあるにせよ、異心同体と見るべきなのかもしれない。それがつまりは水蒸気爆発事故を起こし、殉職者を出した。山体の最高部には二つの溶岩ドームをいただき、それぞれ北峰・南峰と呼ばれているが、南峰は昭和の活動期から時を経た今でも依然立ち入り禁止である。そのため、一般には北峰の最高所2393mが焼岳山頂とされ、ハイキング対象になっているが、南峰の方が50mあまり高い。

聖職の碑を訪ねて
木曽駒ヶ岳 123
■標高 2956m ■所要時間 6時間 ■アクセス難度 S
 今更ながらに、中央アルプスは地味である。南北両アルプスに比べると、山脈を構成する山々の高さが少しずつ低いし、木曽と伊那、二つの人里にも比較的近いことから、人跡未踏の近寄りがたい荘厳さを備えるに至っていないせいなのかもしれない。ちなみに、中央アルプスというのは通称名みたいなもので、学術的には木曽山脈と呼ぶのが正しいのだと思うが、つまりは伊那の山ではなく木曽の山ということになっている。そんな、どことなく地味な印象を拭いきれない中央アルプスだが、その盟主となれば、まず木曽駒ヶ岳ということで異論はないのだろう。標高は南アルプスの甲斐駒ヶ岳よりわずかに低いものの、伊那では二つの駒ヶ岳を西駒・東駒と呼ぶのだそうだ。

再戦
西穂独標完結編 12
■標高 2701m ■所要時間 4時間30分 ■アクセス難度 A
 分県登山ガイドの岐阜県版を買った「私」は、本を読んでいるうちに西穂高に興味を持ってしまったが、素人が挑むには難易度の高い山であることを知り登頂を断念。しかし、独標なら危なくないと入れ知恵をされ、これに挑戦することに。決行の日は台風の近づく荒天だったが、高ぶるパッションを押さえきれず、風雨の強まる西穂山中に突入。ついには独標直下まで到達したものの、身の危険を感じ、志半ばに撤退した。翌朝、仮の宿りに選んだ高山市内は、強い風雨の中に息をひそめていた。

山陰の秀峰に登る
大山 12
■標高 1729m ■所要時間 3時間40分 ■アクセス難度 B
 各地方には、その周辺を代表する山みたいなのがあって、中国地方で言えばさしずめ大山(だいせん)がそうなのだろうと思う。鳥取県西伯郡大山町に位置し、旧国名で言うと伯耆国にあたるため、伯耆富士の二つ名も背負っているのだけれど、間近で見てみると富士山に似つかない峨々とした山容である。そのため2ちゃんねるの山界隈では、日本国内で最も危険な山の名をほしいままにしている。あまり活動の活発でない火山なのだけれど、非常に脆く、かつて縦走に用いられていた主稜線が崩壊を続けており、ペラッペラのグズグズになっているので、ここのことを指している。当然にして立ち入り禁止措置が取られているものの、ネットにはどこか自慢げにその縦走体験をつづった山行記録も公開されている。下馬評によると、この縦走路に入った際に生死を分かつ究極のものは、技術や錬度ではなく、運なのだそうだ。だいぶ脱線したが、富士山を思わせる姿をしているのは主に西から見たときの話である。想像するに、海上からもよく目立って、北前船なんかの廻船の往来に伴ってその声望を高からしめたもののような気もする。

女人禁制の地へ
山上ヶ岳 12
■標高 1719m ■所要時間 4時間 ■アクセス難度 C
 深田久弥翁がものした「日本百名山」には、大峰山と言う山が含まれている。翁が登ったのは、広義での大峰山であり、エッセイとしてはその縦走の記録が掲載されているが、スタート地点となったのが標高1719mの山上ヶ岳で、それなりの紙幅も割かれている。しかし、名山家やハンター向けに書かれた百名山ガイドの類を見ると、大峰山は八経ヶ岳や稲村ヶ岳で代えられていることが多い。大峰山縦走は、アクセス交通の不便さではアルプス以上であるため、趣味の本で紹介するには内容がヘヴィなのもあるのだが、実は山上ヶ岳は今なお女人結界の設けられた女人禁制の山であるため、そういった点でも一般向けでなかったりする。

段戸裏谷を歩く
【シリーズ:東海自然歩道】寧比曽岳〜田口・寧比曽岳 12
■標高 1120.6m ■所要時間 5時間50分 ■アクセス難度 C
 東海自然歩道上で、俗に難所と呼ばれる場所は何か所か存在している。最たるものは丹沢のようだが、全般に険路・難路の類である。ただし、それとは違う意味での難所となる場所もまた、確かに存在している。端的に言ってしまえば、交通不便の地である。愛知県コースの場合、愛岐丘陵のあたりを歩いているうちは良いのだけれど、寧比曽岳の前後区間となると、鉄道網はもちろん、バス路線からも外れてしまっているため、県内踏破を考える場合でさえ、一つのボトルネックとなってしまう。いちおう、伊勢神峠のバス停から寧比曽岳の山頂を目指すハイキングルートもあるので、中断ポイントとしてはここを絡めざるを得ないが、いずれにしてもその前後のアクセスポイントまでの距離が長い。要するに、香嵐渓〜寧比曽岳、そして寧比曽岳〜田口は脱出点なしで二十数劼諒盥圓魘いられるロングコースとなる。

洛外の名所を遍歴する
【シリーズ:東海自然歩道】京都一周トレイル・北山コース東部 12
■標高 794m ■所要時間 5時間20分 ■アクセス難度 A
 京都一周トレイルは、盆地の街・京都を取り囲む山につけられたハイキングコースだ。南山コースがないのは東山コースの時に述べたとおり。東山と西山の二つをつなぐのは盆地の北部を走る北山コースである。東西のコースよりは幾分か長く、比叡山から始まって、大原、鞍馬、高雄、清滝と続くコースの公式マップは、東部と西部でさらに二分されている。仮に一息で歩こうとすると、ざっと40匐瓩なる。今回はこのうち、北山東部コースを歩くことにした。東山コースの終点となるケーブル比叡駅から、鞍馬の玄関口・叡山電鉄二ノ瀬駅までとなるその道のりには、東山からの続きで比叡山を起点にする限り長い登りはなく、京都市郊外の有名観光スポットを周遊するような名コースとなっている。それだけにと言うべきか、東海自然歩道と重複する区間も長い。いやむしろ、東海自然歩道の方が歴史は古いのだけれど、そんなわけで、今回は東海自然歩道と京都一周トレイルの兼用コースである。

三河湾沿岸部周遊山行
宮路山・五井山・御堂山・砥神山 12
■標高 454.2m ■所要時間 4時間20分 ■アクセス難度 S
 京都一周トレイルの北山コースを歩いてからこっち、しばらく山に行っていない。そこで雪の積もっていない近場の山を物色した結果、東三河にある宮路山、五井山、御堂山、砥神山を目指すことにした。中央アルプス南端から続く高まりが、最後に三河湾に没するような場所に位置しており、基本的にはどの山も三河湾への展望が良い。豊橋自然歩道の時に、弓張山地が南アルプスの終わりであるという言説に触れ、合わせて天竜川と言う大河川によって南アルプスと弓張山地が明確に分かたれていることも指摘したが、今回登る山は、弓張山地の時ほど残酷にアルプスから切り離されているわけではない。何となく、中央アルプスのどこかにはつながっていそうな感じを受けるが、北アルプスが親不知のあたりで日本海に消えるような高度感もない。上空から見れば平野に張り付く地被類のように見えそうな、平坦な丘陵地帯だ。地勢に注目すると国坂峠によって宮路・五井と御堂・砥神と言うペアに分かたれること、国坂峠が豊川市と蒲郡市の境界となっていること、そしてファミリー向けハイキングに手頃な歩行距離となるようコースが整備されていることから、低山ハイクのガイド本でも宮路・五井と御堂・砥神が別立てになっているのが普通だが、今回は運動強度を上げるために、4座の山を一気に歩き抜くことにした。

各務原アルプスの裾を行く
【シリーズ:東海自然歩道】鵜沼宿〜下芥見・老洞峠 
■標高 170m ■所要時間 3時間10分 ■アクセス難度 A
 東海自然歩道の長い道のりの中、見せ場となるものはきっと方々にある。ただ、さすがに全編がクライマックスと言うわけにも行かず、コース上に点で存在するそれらの見せ場を、ただ淡々と結ぶだけの区間と言うのもまた、必ず存在している。犬山城を後にして、木曽川対岸の鵜沼宿に渡り、これをもって愛知県を脱出した私の東海自然歩道旅も、このクライマックススポットをただ結ぶだけの区間の一つに差し掛かろうとしていた。

長良川展望のみち
【シリーズ:東海自然歩道】下芥見〜則松 12
■標高 360m ■所要時間 5時間40分 ■アクセス難度 A
 東海自然歩道歩行を岐阜市内下芥見で中断したのは2週間前。本来はもう少し先まで歩くつもりだったのだけれど、こうなった最大の敗因は、モチベーションの維持できない退屈な区間だったことにある。そして、ここまで歩いて中断したままだと、先のコースに進む意欲もそがれそうな気がして、早々に中断ポイントを先につなげることにした。幸いなことに、長良川を渡ってから約7劼龍茣屬蓮◆崢肯廟酖庫召里澆繊廚般誕任燭譴董岐阜県としてもそれなりに力を入れて売り出そうとしているらしい。まあ、それを言えば前回歩いた鵜沼宿駅から桐谷坂付近までの道だって「車折神社と不動めぐりのみち」とはされていたわけだが。とまれ今回は、長良川展望のみちの終わりのさらにその先、コースの区切りにしやすい地点として、岐阜市の外れ、則松地区近傍まで歩くことにする。終点付近のランドマークとなるものは、岐阜刑務所。

谷汲の古刹を目指す
【シリーズ:東海自然歩道】則松〜華厳寺 
■標高 310m ■所要時間 5時間 ■アクセス難度 B
 谷汲山華厳寺は、東海自然歩道岐阜県コースの山場にあたる妙法ヶ岳の山裾に建立された古刹だ。日光にある華厳の滝にも見られる「華厳」という言葉の意味は、「多くの修行・功徳(くどく)を積んで徳果が円満にそなわり、仏になること」(デジタル大辞泉)なのだそうだ。仏教の一派に華厳宗と言うのもあるが、天台宗のお寺である。ちなみに「妙法」と言うのは法華経の教えを指すことがある。「南無妙法蓮華経」の日蓮宗を連想しがちだが、天台宗も蓮華経との関係はあるらしい。やや蛇足だった。西国三十三所の結願寺であり、桜や紅葉の良い寺として、東海三県辺りではよく知られている。

華厳寺から即身仏を訪ねて
【シリーズ:東海自然歩道】妙法ヶ岳 12
■標高 666.9m ■所要時間 3時間30分 ■アクセス難度 B
 前回も書いたとおり、「妙法」とは一般に法華経の教えを意味する。一応仏教国の日本では、仏教用語を山名に頂く山も珍しくはなく、多分に漏れず同名の山は秩父にもあるらしい。が、今回私の目指す山は、岐阜県揖斐川町にある方の妙法ヶ岳だ。秩父のそれと比べるとずいぶん標高も低く、666.9mのちんまりした山のはずなのだが、間近で見ると高くそそり立つような圧迫感がある。山深そうな印象のある根尾谷周辺も、低平部の標高がさほどではないせいなのかもしれない。

湯のまち由布院を象徴する山
由布岳 12
■標高 1583.3m ■所要時間 3時間10分 ■アクセス難度 A
 大分県は、おんせん県をもって任じている。鶴舞う形の某県も自称していたように記憶しているが、大分の場合、有名どころで別府・由布院なんかが代表的な温泉地と言える。このうち由布院の数多い温泉は、由布岳をその源としているのだと言う。由布岳の標高は1583.3メートル。豊後富士の二つ名を持つが、その山容はある種の魁偉さを合わせ持っており、本家富士山とはいささか趣を異にする。富士山同様火山ではあるのだけれど、溶岩の粘性がかなり高いため、溶岩ドームを形成し、独特の山容となったものらしい。由布院の街が広がる由布院盆地から、そそり立つ由布岳の姿を認めるのはたやすく、まさにこの地を象徴するにふさわしいその姿を誇っているようだ。そもそも私がこの山に興味を持ったのも、久大本線の列車旅の途中、由布院駅の前後からこの山を見上げたことに端を発する。

三尾を経て清滝へ
京都一周トレイル・北山コース西部 12
■標高 436m ■所要時間 5時間 ■アクセス難度 A
 京都一周トレイルは、盆地の街・京都を取り囲む山につけられたハイキングコースだ。北山コースは京都盆地の北側の縁にあたる山地を通り抜けるコースとなっている。全線通して見ると、比叡山から大原、鞍馬、高雄、清滝と続くコースとなっているのは以前に説明したとおり。1日で歩き切るには少々長いコースなので、公式ガイドマップ上は東部と西部に分けられている。中間地点となるのが鞍馬で、約5か月前に比叡から鞍馬までを歩いているため、今回は残りの西部コースを歩く。有名観光地を周遊するようだった東部コースに比べると、正統派の山歩きと言える道のりなのかもしれない。鞍馬街道沿いの叡山電鉄二ノ瀬駅を発って三尾を目指し、その後は清滝川沿いに愛宕山の麓に至る。その途上で純粋に観光地と呼べるスポットは、神護寺、高山寺、西明寺といった所だろうか。歩行距離は19.3劼箸覆襦

嵯峨・嵐山を行く
京都一周トレイル・西山コース 12
■標高 276m ■所要時間 4時間40分 ■アクセス難度 A
 京都一周トレイルの中でも、西山コースはとりわけに短い。概要を説明しておくと、清滝から一山越えて奥嵯峨・嵐山と進み、松尾山を越えて阪急上桂駅でフィニッシュとなる。全線随一の観光コースだが、歩行距離はわずかに12卍度しかない。京都市内で市販されている公式コースガイドも、他コースに比べて一回りサイズが小さく、販売価格も200円安い(西山コースは300円、それ以外は500円)。淡々と歩けば4時間程度のコースだろうが、途中の観光も込みのコース設定だと思われる。



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